総務の引き出し(人事教育研修)
丁寧な心理描写とリアリティーが秀逸 人気バレー漫画『ハイキュー‼』に学ぶこれからの人材育成術
大阪大谷大学 人間社会学部 教授 藤原 崇
最終更新日:
2024年08月27日
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今回は、人気バレーボール漫画『ハイキュー‼』から学ぶ、これからの時代に活用できる新しい人材育成のヒントについて解説します。
パリオリンピックでも話題になった『ハイキュー‼』
今年開催されたオリンピックのパリ大会では、さまざまな競技で日本勢の活躍を見ることができました。その中でも、バレーボール男子は、東京大会以降急激にレベルアップを果たした日本代表を含め、魅力ある選手が多数いることから、注目を集めた競技の一つでした。残念ながらメダルには手が届きませんでしたが、決勝トーナメントの準々決勝では世界ランク上位で絶好調のイタリアを相手に、あと一歩の死闘を繰り広げたことは印象的でした。
この日本男子バレーの人気が、特に若い世代で高まった背景の一つだといわれているのが、2012年~2020年に『週刊少年ジャンプ』に掲載されていた『ハイキュー‼』というコミックです。このコミックにひかれてバレーボールに興味を持つようになったり、バレーボールを始めるファンも増えたといわれています。また、そこで描かれた戦術やチームづくりが日本男子バレーの躍進を予言するかのような内容であったことから、「リアル“ハイキュー‼”だ」という声も上がり、人気に拍車をかけたようです。
バレーボールに青春をかけ、それぞれに成長を遂げる男子高校生の青春群像を描いた典型的なストーリーであり、いわゆる“スポ根”的な側面もあります。しかし、それがいまひとつ何事にも熱くならない(と上の世代からは見えている)昨今の若い世代に支持されたのはなぜでしょうか。そこに、これからの時代に活用できる新しい人材育成のヒントがあるかもしれません。今回はそれについて考えていきます。
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