オフィスレイアウトの変更:什器購入

最終更新日:2010年04月09日

オフィスレイアウトの変更:目次

ここで言う什器とは、オフィス内の机や椅子、キャビネット、会議室のテーブルや椅子、応接セット、役員室の机や椅子を指す。ここでは個別の什器についてではなく、什器の購入形態、什器購入先選定についての一般論を記す。また、移転・レイ変の際に発注する大量の什器の納品管理も重要である。什器の購入にあたってのポイントとして、既存什器の扱いをどうするかという問題がある。つまり、既存什器を流用して、移転後やレイアウト変更後の不足分のみ購入するのか(既存什器流用方式)、全て廃棄し新規什器でまかなうのか(既存什器入れ替え方式)という問題である。

●既存什器流用

既存什器流用方式のメリットは、不足分だけの購入なので当然コストが押さえられる。一方、デメリットとして、什器の購入時期によって新旧の差がでてしまい、場合によっては社員から不満の声が上がることがある。特に、事務室内の机で既存什器、新規什器が混在する場合は、購入年月日ごとにレイアウトを組む等の方策により、その不満を解消する必要がある。また、既存什器を流用するとその什器に合わせたレイアウトになってしまい、什器基準の変更を伴うレイアウトコンセプトの大幅な変更は難しくなる。この方式の場合は、什器の色にも充分注意する。場合により、既存什器が製造されておらず、色の統一が図られない場合もあるので要確認。流用方式の場合は什器の現状調査が必要。不足分の確定や、流用先の確定が必要である。流用方式の場合は、この作業が全ての基になる。このデータがないと何も動けないし、また手間もかかる。早めに取り組むことが重要である。

●既存什器入れ替え

什器入れ替え方式では、当然、什器間の新旧の差は発生しない。また、既存什器を移動することがない分移転費用は削減されるし、什器移動に伴う各部署で行う引越作業、移動に必要な旧図面の作成や什器のナンバリング、移動先を示したシール貼りといった作業が軽減される。さらに、レイアウト基準やワークステーション規準、什器の基準を作成し、それに合わせて什器を購入できるので、トータルコーディネートはしやすい。デメリットは、当然、全て新規購入なのでその分コストはかかる。移転費用はかからないかもしれないが、既存什器を廃棄する為の引き取り廃棄費用がかかる。購入価格の面から、既存流用方式での不足分の購入価格より、他のメーカーで全て新規購入したほうが安くなるのであれば新規購入パターンを検討しても良い。いずれにせよ、早い段階で既存什器の扱いを決定しておくことが必要であろう。

●什器購入先

購入先は、既存什器を流用する場合、連結什器がある限り、既存什器メーカーのものを購入することになる。色の統一の問題もある。但し、部屋ごとで購入し、そこで完結されるのなら相違点は目立たずかまわない。メーカーの選定だが、基本的にはデザインが違うだけで、機能面ではそんなに違いは無いように思われる。購入価格も大切だが、重要なのはレイアウトコンセプト等のソフト提案力である。レイアウト作りから、什器選び等のアドバイス、耐震対策や将来の増員に対する備え等々、いかに有用な提案ができるかがポイントである。購入金額は大きいが、一度購入してしまうとそれからの需要があまり発生しないので、営業マンがそれ以降来社しなくなるケースも多い。移転・レイ変前に実施後のレイアウトコンセプトの検証やVDT対策等、スケジュールを組んでしまい、専門化の見地からアドバイスをもらえるようなプログラムを組んでしまうのが良い。

●納品管理

移転・レイ変規模に比例して購入金額とともに、購入個数も大変な数になるので、検討段階から発注段階、納品検品にいたるまでの確認作業を統一された確認書を基にできるようなシステムを構築しておく。いかにして納品数、型番の確認を正確に行うかがトラブルを発生させないポイントである。また、役員什器や応接什器になると、受注生産が多いので納期の確認を、既製品什器を含めて充分に行うことが必要である。納期をまず確認し、そこから逆算してスケジュールを組むことが大切である。什器を決定する場合、スペースや予算の枠はあると思うが、できればアンケート調査の実施や、部署ごとの仕事内容を確認して、個々のワークステーション基準を設定することも大事である。特に、端末の配備方法によりかなり什器のパターンが異なってくるので注意を要する。決定にあたっての必要要件は最大漏らさず考慮すべきである。

(執筆:『月刊総務』)

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