知って得する!印紙税講座

知って得する!印紙税講座 第24回:第8号文書〜第12号文書とは

堀 龍市税理士事務所 所長 堀 龍市
最終更新日:
2013年11月21日

前回の第7号文書は、実務でも判断に悩む文書の1つでしたので複数回に渡りご説明させていただきましたが、第8号文書〜第16号文書は対象となる文書がはっきりと決まっていますので、一気に見ていきたいと思います。

今回は前半戦ということで、第8号文書〜第12号文書を紹介していきます。 それではさっそく第8号文書から見ていきましょう。

第8号文書:預貯金証書

第8号文書は「預貯金証書」です。

「預金証書」と「貯金証書」を合わせて「預貯金証書」と呼んでいます。 ここでいう預貯金証書とは、金融機関が預金者又は貯金者から預貯金の預入れがあった際、その事実を証することにより消費寄託の成立を証明するために作成する免責証券のことです。

定期預金や積立定期をした時などに目にすることが多いでしょうか... なお、預貯金証書の中でも、信用金庫やその他政令で定める特定の金融機関の作成するもので、記載された預入額が1万円未満のものは非課税とされています。

ちなみに、預貯金通帳はほかの号の課税文書になりますので混同しないようにご注意くださいね。

第9号文書:貨物引換証、倉庫証券又は船荷証券

第9号文書は「貨物引換証、倉庫証券又は船荷証券」とされています。

これらは、荷物の運送人、倉庫営業者(荷物の受寄者)、海上運送人が荷物を引き渡す際に、その荷物と引き換えにする有価証券のことです。 これらの証書は商法などの法律により記載事項が定められているのですが、仮に法定記載事項の一部を欠く証書であっても類似の効用を有するもの、すなわち、荷物の引換請求権を表彰するものは第9号文書として課税されることになります。

第10号文書は:保険証券

第10号文書は「保険証券」です。

保険証券はみなさん馴染みがあるかと思いますが、ここでいう保険証券とは、名称のいかんを問わず保険法で定める損害保険契約、生命保険契約、傷害疾病定額保険などの規定により保険契約を締結した際に、契約者に対して交付される書面のことです。 ただし、印紙税法では第10号文書の保険証券から除かれる保険契約が定められているのですが、その範囲は、  

(1)海外旅行中の生命保険

(2)国内又は海外旅行中の損害・医療・傷害保険

(3)航空機に搭乗中の損害・医療・傷害保険

(4)保険約款に自動更新の定めがあり、その定めに基づいて既契約を更新する保険契約

(5)共済契約

となります。

第11号文書:信用状

第11号文書は「信用状」です。

信用状とは、銀行が輸入業者等の依頼に応じ、書面に定める取引相手に対し金銭の支払いをすることを委託する内容の支払委託証書のことです。 ただし、信用状に記載された取引条件等を変更した場合に発行される「商業信用状条件変更通知書」については、単に変更の事務処理を通知する文書であるため、第11号文書には該当せず、印紙税は課税されません。

第12号文書:信託行為に関する契約書

第12号文書は「信託行為に関する契約書」です。

信託とは、「特定の者が一定の目的に従って財産の管理又は処分及びその他の当該目的を達成するために必要な行為をすべきもの」のことです。 この信託の設定方法については信託法という法律により、

(1)信託契約

(2)遺言

(3)書面又は電磁的記録によってする意思表示(いわゆる信託宣言)

の3つの方法(信託行為)が定められています。

ここでご注意いただきたいのは、信託行為によって作成される文書であっても第12号文書は信託行為に関する契約書であることから、(1)の信託契約を証するための文書のみが課税対象であって、(2)遺言や(3)信託宣言によって信託を設定する場合の文書は印紙税が課税されないということです(遺言や信託宣言は契約ではないからなんですね)。

いかがでしたでしょうか...。一般的にはあまり頻繁に目にする文書ではないかと思いますので、こういった文書も印紙税が課税されるのかくらいに覚えておいていただけたらと思います。

次回は後半戦、第13号文書〜第16号文書を見ていきたいと思います。 これが終わると、みなさんが最も目にするであろう「あの文書」が登場しますので、楽しみにしていてくださいね。

※掲載されている情報は記事公開時点のものです。最新の情報と異なる場合があります。

著者プロフィール

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堀 龍市税理士事務所 所長
堀 龍市

経歴
大阪市出身、大阪府立大学経済学部経済学科卒。大学卒業後、父親が経営する会社に就職。父の会社で最も身近な存在であり、相談できる相手である顧問税理士が「税金の計算をするだけの人」と知って愕然とし、父の会社の解散に伴って、必死で会社を支えている社長を経営面からサポートする税理士を目指す。
その後、ランチェスター経営の竹田陽一氏に師事。
現在は「中小企業の社長と従業員とその家族が幸せになれば、世の中が幸せになる」を合言葉にクライアントの売上向上と税金対策に携わっている。

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