知って得する!印紙税講座

知って得する!印紙税講座 第26回:第17号文書とは(その1)

堀 龍市税理士事務所 所長 堀 龍市
最終更新日:
2013年12月19日

今回から2回に亘って第17号文書について見ていきたいと思います。

第17号文書は「金銭又は有価証券の受取書」のことなので、いわゆるレシートや領収書などが該当することになりますが、もちろん一般的な「領収書」や「受取書」などの名称に限らず、金銭又は有価証券の受取事実を証明する文書、または、金銭又は有価証券の受取事実を証明する目的で作成された文書は、すべて第17号文書に該当します。 第17号文書かどうかを判断する時に重要なポイントは次の3つです。

1.金銭又は有価証券の受取事実を証明するものであるかどうか。

2.売上代金に係る受取書に該当するかどうか。

3.非課税となる「営業に関しないもの」に該当するかどうか。

印紙税法で言う「金銭又は有価証券の受取書」とは、金銭又は有価証券の引き渡しを受けた者がその受領事実を証明するために作成し、その引渡者に交付する証拠証書を指しますが、その中でも売上代金に係るものは第17号の1文書に該当し記載金額による税率が適用され、売上代金以外に係るものは第17号の2文書に該当し一律200円の税率が適用されます。

ここで注意が必要なのは、第17号の1文書に該当する「売上代金」とは、会計上のいわゆる売上に限らないということです。

この場合の「売上代金」とは、原則として「資産を譲渡し若しくは使用させること又は役務を提供することによる対価をいう」こととされていて、例えば、事業用や賃貸用の資産等を売却した場合の対価といった会計上の売上に含まれないものも、第17号文書における売上代金に該当することになります。 また一方では、実質的に資産の譲渡等の対価でないものでも売上代金に含まれたり、逆に資産の譲渡等の対価でも売上金額から除かれるものもあるため気をつけなければいけません。

印紙税法上、資産の譲渡等の対価でないが売上代金に含まれるものの例としては、

● 手付金の受取書

● 受取金額の一部に売上代金を含む受取書

● 受取金額の内容が明らかにされていない受取書

● 売上代金の受領委託を受けた場合に作成する受取書

● 支払委託を受けた場合に作成する受取書

があり、資産の譲渡等の対価でも売上金額から除かれるものの例としては、

● 保険料

● 金融商品取引法第2条第1項に規定する有価証券の譲渡の対価

● 公債、社債及び預貯金の利子

などがあり、詳細は印紙税法施行令第28条で定められています。

次回は3つめのポイント、「営業に関しないものに該当するかどうか」について見ていきたいと思います。

一言コラム:消費税を記載して節税しよう!

今回紹介した第17号の1文書「売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書」は、その記載金額によって税率が段階的に定められています。 従って、記載金額を少しでも小さくすれば、印紙税額の段階がひとつ下がるなんていう可能性があるのです。

そのためにどうしたら良いか...それは「消費税をしっかりと明記する」ことです。 領収書に消費税額が明記されている場合には、その消費税額は領収書の記載金額には含まれません。 重要なのは消費税額が「明確に」記載されていることですので、領収書に「金31,290円也(但し、消費税含む。)」といったような書き方では、消費税額が明確に記載されているとは言えません。 このような場合は「金31,290円也(但し、消費税1,490円を含む。)」といったように、はっきりと消費税額を記載するようにしましょう。

これから消費税率も上がっていきますので、領収書をたくさん発行したり高額な領収書を発行するような業種では、なかなか馬鹿にできない節税対策かもしれませんね。

※掲載されている情報は記事公開時点のものです。最新の情報と異なる場合があります。

著者プロフィール

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堀 龍市税理士事務所 所長
堀 龍市

経歴
大阪市出身、大阪府立大学経済学部経済学科卒。大学卒業後、父親が経営する会社に就職。父の会社で最も身近な存在であり、相談できる相手である顧問税理士が「税金の計算をするだけの人」と知って愕然とし、父の会社の解散に伴って、必死で会社を支えている社長を経営面からサポートする税理士を目指す。
その後、ランチェスター経営の竹田陽一氏に師事。
現在は「中小企業の社長と従業員とその家族が幸せになれば、世の中が幸せになる」を合言葉にクライアントの売上向上と税金対策に携わっている。

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