知って得する!印紙税講座

知って得する!印紙税講座 第11回:印紙税法上の契約書とは

堀 龍市税理士事務所 所長 堀 龍市
最終更新日:
2013年05月09日

今まで「契約書」には印紙税が課税されますと言ってきましたが、印紙税法上の「契約」や「契約書」にはどういった意味があり、どのようなものが含まれるのでしょうか?

印紙税法上の契約書については、印紙税法課税物件表の適用に関する通則5にて定められているのですが、この通則5を読んでみても相変わらず何が言いたいのかわからないような日本語で書かれていますので、わかりやすくポイントをまとめてみたいと思います。

その前に、印紙税法上の契約とは、「互いに対立する2個以上の意思の合致、すなわち一方の申込みと他方の承諾によって成立する法律行為をいう。」(印紙税法基本通達第14条)と規定されていることを覚えておいてくださいね。 それでは、通則5のポイントを整理してみましょう。

①文書の名称は問いません。

これはよくいわれることかと思いますが、覚書、契約証書、協定書など、その契約書の名称が何であれ、その文書の内容が以下の②の事実を証明することを目的とした場合は印紙税法上の契約書に該当します。

②「契約の成立」「予約契約の成立」「契約の更改」「契約の変更」「契約の補充」。これらの事実を証明することを目的として作成された文書であること。

印紙税法上の契約書に該当するかどうかはこの5つがポイントになるので、ぜひ頭の片隅に覚えておかれると役に立つかもしれません。

③当事者の署名・押印のあるものとは限りません。

これは少しわかりづらいでしょうか... まず、当事者の署名・押印があるものとは、「不動産売買契約書」などがあり、通常は「売主」と「買主」の署名押印があり、意思の合致は明らかであるため契約書に該当します。

次に、当事者の一方のみが作成する(一方のみの署名・押印がある)ものとしては、「工事注文請書」などがあり、文書自体は請負者が作成するものですが、申込者の申込みに対する承諾事実を証明する目的で作成され意思の合致は明らかであるため、契約書に該当します。

ただし、「注文書」と「注文請書」が別々に作成される場合の「注文書」については、契約の申し込み段階の文書である場合には契約書には該当しません。 (注文書と注文請書が別々に作成される場合であっても、注文書の内容から「単なる申込み文書ではなく契約の申込みに対する承諾であることが明らかな場合」などは、注文書自体が契約書に該当すると判断される場合がありますので、あくまで文書の内容から判断されますようご注意ください)

なお、契約の消滅の事実を証明する目的で作成される文書は、印紙税法上の契約書には含まれません。(印紙税法基本通達第12条)

一言コラム:見積書って印紙税法上の契約書になるの?

さて、取引を行う上で「見積書」が作成されることは多いと思います。 前半の「印紙税法上の契約書」の内容を踏まえて、見積書は契約書に該当するでしょうか?

見積書とは、一般的に契約の誘引を目的として作成される文書であり、契約の成立等を証明するために作成されるものではありません(意思の合致は含まれません)ので、課税文書には該当しません。

しかし、前述の通り印紙税は文書の名称だけでなく、あくまで文書の内容から判断されますので、見積書に相手方の申し込みに対する承諾事実を証明するようなことが書かれていたとしたら、契約書に該当する場合があります。

※掲載されている情報は記事公開時点のものです。最新の情報と異なる場合があります。

著者プロフィール

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堀 龍市税理士事務所 所長
堀 龍市

経歴
大阪市出身、大阪府立大学経済学部経済学科卒。大学卒業後、父親が経営する会社に就職。父の会社で最も身近な存在であり、相談できる相手である顧問税理士が「税金の計算をするだけの人」と知って愕然とし、父の会社の解散に伴って、必死で会社を支えている社長を経営面からサポートする税理士を目指す。
その後、ランチェスター経営の竹田陽一氏に師事。
現在は「中小企業の社長と従業員とその家族が幸せになれば、世の中が幸せになる」を合言葉にクライアントの売上向上と税金対策に携わっている。

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