知って得する!印紙税講座

知って得する!印紙税講座 第22回:第7号文書とは(その2)

堀 龍市税理士事務所 所長 堀 龍市
最終更新日:
2013年10月10日

前回は第7号文書の中でも印紙税法施行令第26条第1号で定められた「売買、売買の委託、運送、運送取扱い又は請負に関する基本契約書」を見ていきましたが、今回は第2号で定められた文書について確認していきたいと思います。

この印紙税法施行令第26条第2号に該当する契約書であるためには、次の2つの要件すべてに該当する文書であることが必要です。

(1)売買に関する業務、金融機関の業務、保険募集の業務又は株式の発行若しくは名義書換えの事務を継続して委託するため作成されるものであること

(2)委託される業務又は事務の範囲又は対価の支払方法のいずれか1以上の内容を定めるものであること

ただし、第2号に該当する契約書の場合、前回確認した第1号との大きな違いとして、取引の当事者が営業者に限定されないということを忘れないでください。

それでは、要件の(1)で規定している業務について、それぞれ確認していきましょう。

売買に関する業務

印紙税法施行令第26条第1号に規定する文書の要件に「売買、売買の委託に関する契約書」というものがありますが、この場合の「売買の委託」とは、特定の物品等を販売し又は購入することをいいますが、第2号に規定する「売買に関する業務の委託」とは、売買に関する業務の一部又は全部を委託することをいいます。

金融機関の業務

ここでいう金融機関の業務とは、預金業務、貸出業務、出納業務、為替業務、振込業務など、銀行業法、保険業法、証券業法、信託業法等において認められるすべての業務が対象となります。

ここでご注意いただきたい点としては、この文書の対象は「金融機関が他の者(金融業務を行うことが出来る金融機関)に対して、これらの業務を委託するもの」ですので、例えば、「物品を販売する業者がその販売代金の振替業務を金融機関に委託する」場合などは金融機関の業務に該当しないということが挙げられます。

保険募集の業務

保険募集の業務とは、保険代理店等が行う各種の募集業務のことですが、保険会社と外交員が雇用関係にある場合には、例え契約書を交わしていたとしても「業務の委託」にはなりませんので、第7号文書には該当しません。 第7号文書に該当するのは、あくまで雇用によらない外交員との間で契約する場合となります。

また、代理店の中には契約見込者の紹介のみを行う紹介代理店や、保険料の集金のみを行う集金代理店がありますが、印紙税法施行令第26条第2号の対象は「保険募集を行う募集代理店が保険会社等と締結する契約書」となります。

一言コラム:ソフトウェア保守契約書は課税文書!?

企業では様々なソフトウェアを扱うことも多いかと思いますが、それらのソフトウェアの保守については契約書を交わしているでしょうか?

実務上、第2号文書と第7号文書は判断を迷うことも多いかと思いますが、ソフトウェアの保守契約もそのうちの代表的な1つではないでしょうか... 例えば、あるシステムが不安定になった場合、その原因を調査し修復することに対して報酬を支払うといったものは請負契約に該当し第2号文書になりますし、あるプログラムのバージョンアップを複数回行うことがあらかじめ決まっているようなケースでは、継続的取引として第7号文書になる場合もあります。

では、絶対に課税文書になるのかというと、プログラムの使用上発生した問題に対する質問・問い合わせに対する応対(技術的なものを含む)の場合には単なる委任契約と解されますので、印紙税法上の課税文書には該当しません。

このように、ソフトウェア(プログラム)保守契約書といった名称の契約書については、保守の内容により第2号文書に該当する場合、第7号文書に該当する場合、そもそも課税対象にならない場合とその取扱は様々ですので、こういった契約書を扱う場合には、保守の内容をしっかりと理解した上で判断するようにしてくださいね。

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著者プロフィール

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堀 龍市税理士事務所 所長
堀 龍市

経歴
大阪市出身、大阪府立大学経済学部経済学科卒。大学卒業後、父親が経営する会社に就職。父の会社で最も身近な存在であり、相談できる相手である顧問税理士が「税金の計算をするだけの人」と知って愕然とし、父の会社の解散に伴って、必死で会社を支えている社長を経営面からサポートする税理士を目指す。
その後、ランチェスター経営の竹田陽一氏に師事。
現在は「中小企業の社長と従業員とその家族が幸せになれば、世の中が幸せになる」を合言葉にクライアントの売上向上と税金対策に携わっている。

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