知って得する!印紙税講座 第8回: 2以上の課税事項が併記又は混合している文書の所属の決定(前半)
前回、一の文書に2以上の号の課税事項が記載されている文書を印紙税法基本通達第10条にもとづいて大きく3つに分類しましたが、今回はいよいよ具体的な所属の決定について見ていきたいと思います。
具体的な所属を決定するためには、「課税物件表の適用に関する通則3(以下、通則3という。)」というルールに従って判断していくのですが、それでは実際にこの規定にもとづいて具体的な例を見ていきましょう。
(1)「第1号または第2号文書」と「第3号から第17号までの文書」に該当する文書
→ 第1号(又は2号)文書
※ただし、(2)(3)に該当するものは除く。(2)「第1号または第2号文書で契約金額の記載のないもの」と「第7号文書」に該当する文書
→ 第7号文書(3)「第1号または第2号文書」と「第17号の1文書」に該当する文書のうち、売上代金に係る受取金額(100万円を超えるものに限る。)の記載があるもので、その金額が第1号文書もしくは第2号文書に係る契約金額(契約金額が2以上の場合には、その合計額)を超えるもの又は第1号もしくは第2号文書についての契約金額の記載のないもの
→ 第17号の1文書(4)「第1号文書」と「第2号文書」に該当する文書
→ 第1号文書
※ただし、(5)に該当するものは除く。(5)「第1号文書」と「第2号文書」に該当する文書で、それぞれの課税事項ごとの契約金額を区分することができ、かつ、第2号文書についての契約金額が第1号文書についての契約金額を超えるもの
→ 第2号文書どうでしょうか?
このあたりはもう通則3というルールに従って所属を決定していくだけですので、正直、読んでいるだけでもしんどく感じられる方も多いかと思います。 実際にこのルールを覚える必要はまったくないと思いますが、「あぁ、文書の所属の決定にはこんなルールもあったな」ということを頭の片隅にでも覚えておいていただいて、何かあった時にはこのページに戻ってもらえたら...と思っています。
さて、次回は(6)〜(12)のルールを紹介します。
これで「2以上の課税事項が併記又は混合している文書の所属の決定」はひとまず完了しますので、あと一息、一緒にがんばりましょう!
(参考)国税庁ホームページ「印紙税額一覧表(課税物件表)」(PDF)
一言コラム:印紙の消印ってどうすればいいの?
契約書や領収書に印紙を貼った場合には消印をしなければなりませんが、実はこの消印の仕方についてもきっちりと決まりがあることをご存知でしょうか?
印紙税法第8条第2項では「当該課税文書の印紙の彩紋(模様のことです)とにかけ、判明に印紙を消さなければならない。」と定めています。 そして収入印紙を消す方法は、印紙税法施行令第5条にて「課税文書の作成者又はその代理人(法人の代表者を含む。)、使用人その他の従業員の印章又は署名で消さなければならない。」と定められています。
印章の場合には、必ずしも契約書等に押印した印判である必要はなく、氏名・名称などを表示した日付印や役職名・名称などを表示したゴム印でも問題はありません。 署名の場合には自筆によるものでなければなりませんが、その表示については氏名の他、通称や商号でも問題はありません。
ただ、たまに「マル印」と表示されたものや「斜線」を引いて印紙を消してあるものを見かけますが、これらは印章や署名には該当しませんので消印をしたことにはなりません。
また、判明に印紙を消さなければならないことから、ひと目で誰が消印したか分かる程度に明瞭に押印または署名をしなければならず、かつ、簡単にその消印を取り去ることが出来ないようにしなければならないことにも注意が必要です。(鉛筆や消えるインクでは消印をしたことにはなりません)
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