知って得する!印紙税講座

知って得する!印紙税講座 第23回:第7号文書とは(その3)

堀 龍市税理士事務所 所長 堀 龍市
最終更新日:
2013年10月24日

前回前々回とは第7号文書についてご紹介してきましたが、今回は残りの印紙税法施行令第26条第3号から第5号で定められた文書について確認していきたいと思います。

これで第7号文書は最後になりますので、がんばりましょう!

印紙税法施行令第26条第3号に該当する契約書

印紙税法施行令第26条第3号には、 「銀行取引約定書その他名称のいかんを問わず、金融機関から信用の供与を受ける者と当該金融機関との間において、貸付け(手形割引及び当座貸越しを含む。)、支払承諾、外国為替その他の取引によつて生ずる当該金融機関に対する一切の債務の履行について包括的に履行方法その他の基本的事項を定める契約書」 と規定されていて、銀行取引約定書、信用金庫取引約定書、金融取引約定書などが該当します。

ただし、これらに該当する文書は債務の履行について【包括的に】定めたものであって、貸付、支払、外国為替といった個々の取引によって生ずる債務の履行方法などを定めたものは第7号文書には該当しませんので、注意が必要です。

印紙税法施行令第26条第4号に該当する契約書

印紙税法施行令第26条第4号には、 「信用取引口座設定約諾書その他名称のいかんを問わず、証券会社等とこれらの顧客との間において、有価証券又は商品の売買に関する二以上の取引(有価証券の売買にあつては信用取引又は発行日決済取引に限る。)を継続して委託するため作成される契約書で、当該二以上の取引に共通して適用される取引条件のうち受渡しその他の決済方法、対価の支払方法又は債務不履行の場合の損害賠償の方法を定めるもの」 と規定されています。

信用取引口座設定約諾書とは、信用取引を利用する上で守るべきルールや不測の事態が生じた場合の処理方法等について記載された約諾書のことです。

この文書の性質上、有価証券又は商品の売買に関する内容が含まれていたとしても、印紙税法施行令第26条第4号の文書に該当しない場合には、第21回で紹介した「売買に関する継続的取引の基本となる契約書」として第7号文書に該当し課税されることはありません。

印紙税法施行令第26条第5号に該当する契約書

印紙税法施行令第26条第5号には、 「保険特約書その他名称のいかんを問わず、損害保険会社と保険契約者との間において、二以上の保険契約を継続して行うため作成される契約書で、これらの保険契約に共通して適用される保険要件のうち保険の目的の種類、保険金額又は保険料率を定めるもの」 と規定されています。

ここでいう「二以上の保険契約を継続して行うための契約書」とは、特約期間内に締結される保険契約に共通して適用される保険の目的の種類、保険金額又は保険料率をあらかじめ定めておき、後日、保険契約者からの申込みに応じて個別の保険契約を締結し、個別の保険契約ごとに保険証券又は保険引受証が発行されることになっている契約書のことを指しています。

一言コラム:印紙税と税理士の意外な関係!?

みなさん、税理士は税金のスペシャリストとして、あらゆる税金の相談にのってくれると思ってないでしょうか? 実は我々税理士のことについて定めた「税理士法」という法律があるのですが、税理士法の中では税理士が扱うことの出来る税金が定められているんです。 ということは、察しのいいみなさんはもうお気づきかもしれませんが、税理士にも扱うことのできない税金があります。

税理士法第二条(税理士の業務)

「税理士は、他人の求めに応じ、租税(印紙税、登録免許税、関税(中略)その他政令で定めるものを除く。以下同じ。)に関し、次に掲げる事務を行うことを業とする。」

どうでしょうか...税理士は、他人の求めに応じて税金に関する事務ができる...はずなのですが、カッコ内をよく読むと【印紙税は除く】って書いてあるんですね。 実際に、税務調査の際に印紙税に対して代理業務を行った税理士が綱紀監察委員会(税理士会の会則や税理士法に違反した税理士を取り締まる委員会のことです。)にかけられたなんて事例もありますので、いくら税理士といえども、すべての税金に対して代理権限あるということではないのです。

※掲載されている情報は記事公開時点のものです。最新の情報と異なる場合があります。

著者プロフィール

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堀 龍市税理士事務所 所長
堀 龍市

経歴
大阪市出身、大阪府立大学経済学部経済学科卒。大学卒業後、父親が経営する会社に就職。父の会社で最も身近な存在であり、相談できる相手である顧問税理士が「税金の計算をするだけの人」と知って愕然とし、父の会社の解散に伴って、必死で会社を支えている社長を経営面からサポートする税理士を目指す。
その後、ランチェスター経営の竹田陽一氏に師事。
現在は「中小企業の社長と従業員とその家族が幸せになれば、世の中が幸せになる」を合言葉にクライアントの売上向上と税金対策に携わっている。

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