知って得する!印紙税講座

知って得する!印紙税講座 第12回:課税文書の記載金額とは(その1)

堀 龍市税理士事務所 所長 堀 龍市
最終更新日:
2013年05月23日

今回からは印紙税を考える上で重要な要素である「記載金額」について見ていきたいと思います。

印紙税では、記載金額が一定額未満の取引を非課税としたり、契約書や売上代金の受取書(領収書)のように記載金額によって印紙税額が決定されることから、「課税文書の記載金額」は非常に重要なものなのです。

記載金額とは、「契約金額、券面金額その他当該文書により証されるべき事項に係る金額として当該文書に記載された金額」とされています。(印紙税法別表第一の課税物件表の適用に関する通則4)

要するに、一言で言ってしまえば契約書や領収書に書かれた金額のことですので、そんなに難しく考える必要もなさそうなのですが、みなさんは契約書に契約金額○○円と明記されていない契約書などを見たことはないでしょうか?

例えば、ある請負の契約について、物品の単価と数量は記載されているが総額が明記されていなかったり、金額は見積書の通りなどと、単価や数量すら記載されていない契約書などです。 実は、こういった場合の記載金額の考え方についてもしっかりと決まりがありまして、

(1)単価及び数量、記号その他により契約金額を計算することができる場合
→計算により算出した金額が記載金額となる。

(2)譲渡契約や消費貸借契約、請負契約において見積書や注文書などが存在し、それらの文書より当事者間において契約金額が明らかである場合
→明らかである金額または計算により算出した金額が記載金額となる。

(3)売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書(領収書など)において請求書や支払通知書など受取金額の記載のある文書を特定できる事項の記載があることにより、当事者間において受取金額が明らかである場合
→明らかである金額が記載金額となる。

となっており、「契約書や受取書に○○円といった形で金額が明記されてない=記載金額のない契約書に該当する」というわけではないので、注意が必要です。(印紙税法別表第一の課税物件表の適用に関する通則4ホ)

一言コラム:外国通貨で記載された契約書の記載金額はどうなるの?

みなさんは、契約書の記載金額が外国通貨で書かれているといったケースを目にされたことはないでしょうか? 印紙税法は日本の法律であり、また、印紙税は日本に納税することから、当然その通貨の単位は「円」になるのですが、それでは、契約書の記載金額が外国通貨で書かれていた場合には、一体どうやって日本円に換算すればよいのでしょうか...。

実は、印紙税法では、記載金額が外国通貨により表示されている場合には、文書を作成した日に適用される基準外国為替相場または裁定外国為替相場により円換算した金額を記載金額とすると定められています。

(印紙税法別表第一の課税物件表の適用に関する通則4ヘ)ここでぜひ注意していただきたいのは、法人税法や所得税法では、外貨建取引をした際に円換算を行うレートについて、「取引日における対顧客電信売買相場の仲値(TTM)」にて換算を行うことを原則としていますが、印紙税法ではそれらと扱いが異なるということです。 ちなみに、基準外国為替相場や裁定外国為替相場は、日本銀行のホームページで調べることができます。

日本銀行HP「基準外国為替相場および裁定外国為替相場一覧

※掲載されている情報は記事公開時点のものです。最新の情報と異なる場合があります。

著者プロフィール

hori_photo

堀 龍市税理士事務所 所長
堀 龍市

経歴
大阪市出身、大阪府立大学経済学部経済学科卒。大学卒業後、父親が経営する会社に就職。父の会社で最も身近な存在であり、相談できる相手である顧問税理士が「税金の計算をするだけの人」と知って愕然とし、父の会社の解散に伴って、必死で会社を支えている社長を経営面からサポートする税理士を目指す。
その後、ランチェスター経営の竹田陽一氏に師事。
現在は「中小企業の社長と従業員とその家族が幸せになれば、世の中が幸せになる」を合言葉にクライアントの売上向上と税金対策に携わっている。

知って得する!印紙税講座」の記事

2014年02月27日
知って得する!印紙税講座 第28回:サイバーモール出店契約書は何号文書?
2014年01月09日
知って得する!印紙税講座 第27回:第17号文書とは(その2)
2013年12月19日
知って得する!印紙税講座 第26回:第17号文書とは(その1)
2013年12月05日
知って得する!印紙税講座 第25回:第13号文書〜第16号文書とは
2013年11月21日
知って得する!印紙税講座 第24回:第8号文書〜第12号文書とは
2013年10月24日
知って得する!印紙税講座 第23回:第7号文書とは(その3)
2013年10月10日
知って得する!印紙税講座 第22回:第7号文書とは(その2)
2013年09月26日
知って得する!印紙税講座 第21回:第7号文書とは(その1)
2013年09月12日
知って得する!印紙税講座 第20回:第5号文書・第6号文書とは
2013年08月29日
知って得する!印紙税講座 第19回:第4号文書とは
2013年08月16日
知って得する!印紙税講座 第18回:第3号文書とは
2013年08月01日
知って得する!印紙税講座 第17回:第2号文書とは
2013年07月18日
知って得する!印紙税講座 第16回:第1号文書とは
2013年07月04日
知って得する!印紙税講座 第15回:誤って印紙を貼ってしまった場合はどうすればいいの?
2013年06月20日
知って得する!印紙税講座 第14回:課税文書の記載金額とは(その3)
2013年06月06日
知って得する!印紙税講座 第13回:課税文書の記載金額とは(その2)
2013年05月23日
知って得する!印紙税講座 第12回:課税文書の記載金額とは(その1)
2013年05月09日
知って得する!印紙税講座 第11回:印紙税法上の契約書とは
2013年04月11日
知って得する!印紙税講座 第10回: 5万円未満の領収書に収入印紙を貼らなくてもよくなります!
2013年03月28日
知って得する!印紙税講座 第9回: 2以上の課税事項が併記又は混合している文書の所属の決定(後半)
2013年02月28日
知って得する!印紙税講座 第8回: 2以上の課税事項が併記又は混合している文書の所属の決定(前半)
2013年02月14日
知って得する!印紙税講座 第7回: 一の文書に2以上の課税事項が併記または混合して記載されている場合の文書の所属は?
2013年02月04日
知って得する!印紙税講座 第6回:印紙税の課税単位について
2013年01月17日
知って得する!印紙税講座 第5回:印紙税の納税地ってどこになるの?
2012年12月19日
知って得する!印紙税講座 第4回:課税文書を共同作成した時の印紙税は誰の負担?
2012年11月30日
知って得する!印紙税講座 第3回:課税文書の作成者とは?
2012年11月16日
知って得する!印紙税講座 第2回:印紙税の納税義務者とは?
2012年10月29日
知って得する!印紙税講座 第1回:印紙税とは

関連記事

  • 企業のDXを加速させる社用車管理システム 非対面で安心・安全な鍵管理を PR
  • Zoomが提供する未来を見据えたコミュニケーションのプラットフォーム「Zoom Phone」 PR
  • 1つのアプリで電話も会議もブレストも Webexで実現するEX向上 PR

特別企画、サービス