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1996年設立、AI通訳機「POCKETALK®」(ポケトーク)やWeb会議用カメラ「KAIGIOCAM360(カイギオカム360)」など、パソコンのソフトウエア、スマホアプリ、IoT製品まで幅広く手掛けるソースネクスト株式会社。「次の常識をつくる」という社名の由来通り、世の中の常識を変える製品やサービスを次々と展開。「世界一エキサイティングな企業になる」とのビジョンの下、新たな発想や挑戦を促す環境づくりに力を注いでいる。トップの小嶋智彰さんにお話をうかがった。
写真◎田口 哲也
文◎石田 ゆう子
編集部 2021年、社長に就任されました。まずはご経歴から聞かせてください。

1977年東京都生まれ。2000年京都大学文学部卒業後、カリフォルニア大学に留学し、経営やマーケティングを学ぶ。2001年9月ソースネクスト株式会社入社。2006年6月執行役員。2008年6月取締役。2009年1月常務取締役。2012年6月専務取締役。2019年1月Sourcenext B.V.Managing Director。2020年4月Sourcenext B.V.CEO(現任)。2021年2月代表取締役社長兼COO(現任)。
小嶋 日本の大学を卒業後、経営やマーケティングの勉強をするためにアメリカの大学に1年ほど留学したのち、当社に入社しました。個人的に当社のタイピングソフト「特打」などを使っていて社名を知っていたこと、また若手が活躍していて、早く経営に近いところで仕事がしたいという自分の希望をかなえられそうだと思ったのが、入社の理由です。
当時から海外の製品を日本のマーケット向けにアレンジして提供するところが当社の強みで、最初はアメリカの製品を発掘して日本に持ってくるような製品企画の仕事を担っていました。その後、営業やネットショップ運営などを経て経営企画に異動。マザーズ上場、一部上場を果たしました。
編集部 御社は何を扱っている企業だといえばよろしいでしょう。
小嶋 メイン商材が、創業から最初の10年はパソコンソフト、次の10年はスマホアプリ、ここ最近はIoT製品と、外から見ると世の中の動きに合わせて大きく変わってきた会社だと思われますよね。ただソフトウエアが強みであることは、ずっと変わりません。IoTも見た目はハードウエアですが、勝負しているのは中のソフト。「何の会社なのか?」といわれたら、「開発者と消費者をつなぐ会社」です。開発者にはアイデアがある。ですが、消費者にとっては技術的にどう優れているかより、自分にとって何がうれしいのか、どうすればお得に買えるのか、というところに興味がある。そこを翻訳して、わかりやすく形を整えて、流通経路も考えてお届けするのが、当社の役割です。
編集部 現在のメイン商材の一つは、AI通訳機「POCKETALK®」(ポケトーク)ですか。
小嶋 はい。AIを使った翻訳精度の高さが特長で、互いの言葉を話せない人同士が自国語のままで対話できます。2017年の発売以来、シリーズ累計出荷台数は90万台を突破しました(2021年9月14日時点)。このコロナ禍で影響は受けましたが、前社長の松田憲幸(現会長)とは、これはある意味チャンスだと。今は開発にしっかり取り組み、コロナが落ち着いたら新たなチャレンジをしようとずっと話しています。そうした中、ポケトークの可能性を追求し、さらにワールドワイドに展開するために、2022年2月、ポケトーク株式会社として分社化しました。
「この製品がなかった時代の想像がつかない」といわれるのが理想
編集部 社長になってやられたこと、また今後したいことは?
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