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2023年年頭の「HERO INTERVIEW」を飾るのは、本誌で35年以上連載中の『歴史の中の総務部長』でもおなじみの小説家、童門冬二さん。かつて東京都庁に勤務し、知事秘書や広報室長などを歴任された童門さんが描く小説は、歴史好きはもとより、ビジネスの指南書としても多くの読者を引き付けてやまない。先の見通せないこの時代、歴史と組織管理に造詣の深い童門先生の目にはどのように映っているのか。この先の組織づくり、人づくりで大切なことは何か。お話をうかがった。
写真◎田口 哲也
文◎石田 ゆう子
編集部 先生は東京都庁にお勤めのときから執筆を始められ、1956年に最初のご著書『旅がらす大名』を出版。1960年には『暗い川が手を叩く』が芥川賞候補となり、都庁を退職後の1983年に発表された『小説 上杉鷹山』は、今も読み継がれる大ヒット作品です。昔から、作家を志していらしたのですか?
童門 子供の頃から
編集部 歴史物をずっと書かれていますが、当時から歴史がお好きだったのでしょうか。
童門 はい。あの頃は歴史や地理、国語などの教科を1人の先生が持っていたじゃないですか。それがちょっと変わった先生で、あるときは、『古事記』に出てくるヤマタノオロチのことを話し出す。「頭が8つに割れた大蛇なんているわけがない。あれは、島根県の製鉄業者の『たたら製鉄』のことをいっているんだよ」という。炉に
今の時代にも取り入れたい「不易流行」の教え
編集部 そんな歴史への造詣の深さと、都庁にお勤めのときの組織でのさまざまな経験が相まって、先生ならではの歴史小説のスタイルが出来上がったわけですね。
童門 それはもういろいろと、複雑な人間関係の中で働いていましたから(笑)。
編集部 本誌が1985年5月号から連載をお願いしている『歴史の中の総務部長』も今月号で448回を迎えました。毎回、歴史上の人物を、まるで見てきたかのようにイキイキとした会話で描写されていますが、この主人公となる人物は、どのように選んでいらっしゃるのでしょう。
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