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2013年創業、日常のちょっとした用事を依頼したい人と、仕事をしたい人をつなげるアプリ「ANYTIMES(エニタイムズ)」を提供している株式会社エニタイムズ。同サービスは、家の掃除や家具の組み立て、料理代行など、ちょっとした用事をスキルシェアできる新しいご近所お手伝いプラットフォーム。同社自身、フルリモートワークなどの新しい働き方を積極的に導入。ダイバーシティな人材による自由な発想によって成長している。トップの角田千佳さんにお話をうかがった。
写真◎エニタイムズ提供
文◎石田 ゆう子
編集部 最初の就職先は証券会社だったのですね。少し意外です。

1985年生まれ。東京都出身。2008年大学卒業後、野村證券株式会社入社、営業職。2010年株式会社サイバーエージェント入社、創業直後のWeb PRの子会社へ参画。2013年5月1日、27歳のときに株式会社エニタイムズを設立。2017年1月フルリモートワーク体制へ移行。現在、イタリアと日本の2拠点生活を送り、プライベートではミラノ出身の夫と暮らす。
角田 私が子供の頃からずっと描いていた夢、それは開発途上国で開発援助の仕事をすることでした。小学生の頃、国連難民高等弁務官を務められていた緒方貞子さんの活動や記事に触れたことがきっかけです。いまだに戦争や内戦があって、自分と同世代の子供たちが、次の日に生きていられるかどうかもわからない状況にあることがとてもショックでした。そして、それは遠くの国で起こっていることだけれど、自分と同じ日本人女性がリーダーシップをとって支援の仕事を行っている。自分もこの時代に生まれたからには、そういった社会の課題解決につながる仕事がしたい。国連で仕事がしたいと漠然と思うようになりました。
ボランティアに参加するなど、子供なりにできることをしてきましたが、大学生となって将来を見据えたとき、国連職員は国際公務員なので民間とは環境も違う。まずは、民間企業で働いて、世の中のことをもっと知ってから、大学院に行って国際公務員の試験を受けようと考え始めました。
そんなとき、最初に声を掛けてくれたのが、野村證券株式会社のリクルーターさんだったわけです。恥ずかしながら何もわかっていない学生だったので、「あなたの夢の実現に最適な場所ですよ」との言葉をうのみにして入社を決めてしまいました。野村證券で働くこと自体は、いい経験をさせてもらえてよかったのですが、入ってすぐに人生最大の挫折を経験しました。それは、理想と現実のギャップです。何も調べずに社会に出てしまったことを猛省しました。
社会の枠や固定観念に気付いたことが起業への原体験
編集部 仕事がつらかったと?
角田 いいえ。私は社会の課題解決に情熱を燃やすタイプなので、世の中の人たちもそれぞれにモチベーションを持って、ワクワク仕事をしているものだと思っていました。でも現実は違った。自分の仕事に夢や希望を持てずに苦しんでいる人が大勢いた。しかも、周囲の目を気にし、転職などの行動にも出られずにいる。そうしたようすを目の当たりにし、社会の枠、固定観念にとらわれない働き方、暮らし方ができないものだろうかと思ったことが、今のビジネスにつながっています。
編集部 株式会社サイバーエージェントに転職したきっかけは?
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