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2017年設立、独自の冷凍技術とITで地域のパン屋さんが抱える課題を解決し、パン業界のDXを推進している株式会社パンフォーユー。焼き立てのおいしさを閉じ込めた冷凍パンを活用し、個人向けのパンのサブスクサービス「パンスク」や、法人向けの食の福利厚生サービス「パンフォーユーオフィス」を提供する。パンを作る人、売る人、食べる人の三方よしのプラットフォームを実現している。トップの矢野健太さんにお話をうかがった。
写真◎田口 哲也
文◎石田 ゆう子
編集部 まずは起業に至るまでのご経歴から聞かせてください。
矢野 新卒で株式会社電通に入社し、名古屋支社で交通広告の媒体買い付けや、その媒体を活用した企画立案などを担当しました。その後、大学時代に地方と都市部の機会格差というものを目の当たりにしたことから、何かそのギャップを縮められるようなことができないかと考えていたこともあって、地元の群馬県桐生市の地域系NPOに転職。子育てがしやすい環境づくりや起業家支援、コワーキングスペースの運営、地方にいながらライティングの仕事ができる仕組みづくりなどに携わりました。
ここでコワーキングスペースに集まってくれる人たちがお互いに刺激を受けたり、情報交換をしたりすることでアクションが変わっていくさまを見て、ローカルでも新しいことをやれば社会を変えられるんだという楽しさ、喜びを実感できたことは大きかったですね。そうした活動は県内でも注目を集め、関係する方々との輪が広がっていき、起業にもつながっていきました。
パンのサブスクで地域のパン屋さんの販路を拡大
編集部 そこから「新しいパン経済圏を作り、地域経済に貢献する」とのミッションを掲げて起業されたわけですが、なぜパンだったのでしょう。
矢野 食でなら勝負できるのではないかと思ったからです。地方発のメーカーも多いですし、ちょうど高級食パンブームで都市部では長い行列ができていた。でも、地元ではおいしいパン屋さんでもそこまでの行列はできないのです。そのギャップがビジネスチャンスになるのではないかと考えました。
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