急激な制度改定はモチベーション低下のきっかけに 現場の納得感を大切にする、これからの人事管理
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AIなどの技術進歩や地政学的な状況変化、加えて急激に進む日本社会の少子高齢化を受けて企業の人材活用、人事管理も大きく様変わりしています。転職・中途採用の増加と雇用の流動化、ジョブ型人事管理の広がり、外国人材活用の拡大や多様な人材活用の進展、ギグワークや兼業・副業など複雑化する雇用関係など従来にない変化が起きているのです。
それに合わせて、採用方法や評価処遇体系、人材育成などの人事管理も変化していくべきでしょう。しかし、どのような人事管理が自社にとって有効で適合(fit/フィット)するのでしょうか。今回はこの点について考えてみます。
人的資源管理における「ベスト・フィット・アプローチ」
経営学では、人的資源管理という領域で企業の人事管理が研究されています。歴史的には、長い間企業の一職能として考えられてきましたが、1980年代に「戦略的人的資源管理(Strategic Human Resource Management)」という考えが生まれ、「効果的な人事戦略・人事施策は企業業績の向上に貢献する」という命題が検討されてきました。
その成果の一つとして、「ベスト・フィット・アプローチ」という枠組みが提唱されています。人事施策における「適合」を重視する立場であり、外部環境や競争戦略との適合である「垂直適合」と人事施策間の整合性や相互補完性を示す「水平適合」の2つが、企業業績に貢献する人事戦略・人事施策を決定するという枠組みです。
このアプローチでは、経営戦略や組織によって、有効な人事施策は異なると考えます。実務的な直観では説得力があり、納得しやすい考え方です。一方で、「適合」のパターンは無数にあるため、実務で活用するには、自社にとっての「最適」をどのように特定するかが課題となります。
ただし、自社に「最適」な人事管理をあらかじめ特定することは難しいでしょう。経営者・人事部門が「最適」を判断するために必要な全ての要素を事前に予測し、それに関する全ての情報を収集・分析することは物理的に不可能だからです。
したがって最適「であろう」人事管理について、仮説を立て、実際に実行する中でその有効性を検証して、改善していくほかに方法はありません。
人的資本経営と「連続性の適合」の重要性
これに対しては、近年注目されている「人的資本経営」の考え方が活用できると考えます。経済産業省によると「人的資本経営とは、人材を『資本』として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営の在り方」と定義されています。
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