総務の引き出し(メンタルヘルス)
脱・やりっ放し! 義務化から9年目、ストレスチェックの結果を職場環境の改善につなげるコツ
さんぎょうい株式会社 メンタルヘルス・ソリューション事業室 室長 佐倉 健史
最終更新日:
2023年12月26日
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今回は、労働安全衛生法の改正により実施が義務付けられて、9年目を迎えるストレスチェックの活用について解説します。
ストレスチェックは何のために行う?
1つの事業所に50人以上の従業員が所属していれば、ストレスチェックの実施が企業にとっての義務であることは周知の通りです。法令遵守として粛々と実施をしている企業、50人未満であっても有用性を見いだして実施している企業、集団の結果を全社的に展開して活用している企業などその取り組みの状況はさまざまだと思います。みなさまの企業ではどのような位置付けでしょうか? 筆者がかかわる企業の総務担当者からは、「どうせやるからには活用したい」という声をよく聞きます。
そもそも、ストレスチェックの目的をご存じですか? 厚生労働省によると、その目的は一次予防(メンタルヘルス不調者が発生することの予防)です。結果の悪かった特定の個人や組織をあぶり出すのは、本来の趣旨に沿わない利用法です。
というのは建前で、実際はストレスチェックの結果が悪ければ何かしら手当てはしたいですよね。もちろん、高ストレスと判定された人や、集団分析の結果で総合健康リスクの指数が悪かった組織へのアプローチは必要と筆者も考えます。ただ、本来の趣旨に沿って、問題のあるなしにかかわらず、全ての従業員、全ての集団がストレスチェックの結果を活用してより良い状態になることを目指すのが本当の意味でストレスチェックを活用するということだといえます。
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