総務の引き出し(メンタルヘルス)
従業員のメンタルヘルス問題は訴訟に発展することも 法的リスクを避けるための3大原則とは
さんぎょうい株式会社 メンタルヘルス・ソリューション事業室 室長 佐倉 健史
最終更新日:
2024年02月28日
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今回は、メンタルヘルス対応で生じる法的なリスクについての概要を知り、後手にならずに会社を守るための基本的な考え方を解説します。
普段の業務に潜む法的リスク
みなさんがメンタルヘルス関連の問題に対応するときや、ルールなどの体制をつくるとき、法的なリスクはどの程度意識されているでしょうか。精神障がいに対して治療を受けている、またはメンタルヘルス不調が疑われる従業員に対して不利益になる対応をすると、法的な手段を取られて企業としてダメージを負う場合があります。たとえば、退職した従業員の代理人弁護士から突然連絡があり、民事裁判で争うことになる、といった可能性を常に踏まえ、最大限回避できるよう考えなくてはなりません。
メンタルヘルスにおける法的リスクを適切にマネジメントすることを考えるとき、そこには法的根拠が存在します。メンタルヘルスを含む産業保健(労働安全衛生)にかかわる主な法律は、労働安全衛生法、労働基準法、労働契約法、民法、個人情報保護法の5つです。これらが根幹となり、さらに枝葉として男女雇用機会均等法、労働施策総合推進法(パワハラ防止など)、障害者雇用促進法などがあります。
加えて、それら各法律にひも付き、その法律の基本理念をより具体化した指針や具体的運用を示す通達など、メンタルヘルス施策の法的根拠となる法令とその関連文書は挙げればキリがありません。その全てを頭に入れて対応するのは現実的ではないでしょう。とはいえ、全く関心や知識がないのも考えもの。思わぬ切り口から会社の不利益となるような訴えを受けることのないよう備えておきましょう。
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