職場復帰支援の成功は「3つの準備」で決まる! 事例から学ぶ休業中の対応ポイント
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今回と次回の2回にわたり、企業のメンタルヘルス対策の中でも大きな課題として挙げられる職場復帰について、事例を交えて紹介します。
職場復帰には準備が必要
みなさんの会社に、現在、メンタルヘルスの不調により休業(本稿では厚労省に倣い、休養・自宅療養・休職などの用語を「休業」に統一)している社員はいますか? 社員数が300人を超えていれば、常に誰かしら休業中でもおかしくありません。では、その休業中の社員は無事に復帰し、再発せずに働き続けられるのでしょうか。実際は、うまくいかなかった事例を経験している読者もいると思います。
筆者は職場復帰支援の現場で、復帰する本人やその上司、総務担当者を長年支援しています。そこでいつも実感するのは、何の準備もしないまま復帰しようとする社員が多いこと、それに対してどう支援すればいいかわからず戸惑ったり、そもそも疑問を持たなかったりする総務担当者が多いことです。
ここでいう準備とは、以下の3点です。
(1)不調に至った「きっかけ」と「背景」の両方を自覚する
(2)復帰後に同じような状況に陥った場合または陥らないための対処を習得している
(3)会社とのコンタクトを維持し、復帰後の業務内容や働き方について本人・上司・総務・産業医等の関係者が同じようにイメージできるコミュニケーションが取れている
このような準備が特になくても復帰後、順調に再発せず働ける人もいますが、準備しておけば再発せずに済む人も少なくないでしょう。
事例から学ぶ休業支援
ここで、筆者の経験した事例をご紹介しましょう。ただし、事例の本質を損なわない範囲で複数の要素を加工しているため、半ば創作だと考えてください。
休業者:Dさん 51歳・男性・インフラ事業・係長職・妻と二人暮らし
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