総務の引き出し(メンタルヘルス)
いつ、何を相談したらいいの? ……なんてためらっていたら損! 産業医・保健師の上手な活用方法
さんぎょうい株式会社 メンタルヘルス・ソリューション事業室 室長 佐倉 健史
最終更新日:
2024年01月30日

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今回は、メンタルヘルスにとどまらず広く従業員の健康管理で連携する産業医・保健師との上手な 付き合い方について解説します。
経営課題としての健康管理
みなさんの会社の従業員は、元気に仕事に取り組んでいますか? 企業の価値は従業員にあると考える経営者や総務担当者も増えてきていることでしょう。人的資本経営、健康経営、DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)推進の流れに沿い、従業員の健康を守り向上させるのは、福利厚生の意味合いだけではなく、企業を強くする前向きな経営課題として捉える時代となりました。
労働人口が減少傾向にあり、かつ平均年齢が上昇し続ける中で多様な従業員の事情を考慮することが求められている現代では、従業員の健康管理はますます難易度が上がりつつあります。前向きな健康増進施策と並行して、事故によるけがや心身の不調による欠勤(アブセンティーイズム)、パフォーマンスの低下(プレゼンティーイズム)、離職を防ぐことも重要課題です。
自社のニーズに合った産業医の選任方法
従業員の健康を守り、向上させるには、経営者の方針決定やリーダーシップ、総務部門の健康施策の企画立案、現場の管理職の労務管理などが中心的な要素になるでしょう。それだけでなく専門家の力をうまく利用することも重要です。労働安全衛生法等により、常時50人以上の従業員を雇用する事業所には産業医の選任義務があります。産業医に依頼する業務には以下のような例があり、これらの一部は義務としても定められています。「メンタルヘルス対応は得意だけど化学物質の取り扱いは苦手」など、産業医によって得手不得手があるため、自社のニーズに合った産業医を選任し、活用していきましょう。
- 健康管理の体制づくり
- 職場巡視
- 健康診断の事後措置・就業判定
- 安全委員会・衛生委員会への出席と衛生講話
- 過重労働の面接指導
- ストレスチェックの実施や結果活用のアドバイス
- 職場復帰の判定面談とフォローアップ
- メンタルヘルス対策立案・実施
- 作業の安全面の改善
- 健康被害を起こす化学物質の管理・扱い方の指導
- 生活習慣病の予防と管理
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