総務の引き出し(メンタルヘルス)
メンタルヘルス不調者への対応にしんどさを感じたら 総務担当者の「感情労働」セルフケアのススメ
さんぎょうい株式会社 メンタルヘルス・ソリューション事業室 室長 佐倉 健史
最終更新日:
2023年09月27日
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今後ますます必要となる職場のメンタルヘルス対策の押さえるべきポイントを解説する本連載。今回は、社員を支える立場である総務担当者自身がいかに相談業務などのストレスに対処し、元気に社員を支え続けるかというセルフケアの話題をお届けします。
メンタルヘルス不調者への対応は「感情労働」? 総務担当者の業務はサービス業従事者の側面も
労働の分類として、長らく「肉体労働」と「頭脳労働」の2つが用いられてきました。近年のサービス業従事者の増加により、アメリカの社会学者であるA・R・ホックシールド氏が「感情労働」という概念を提唱しました。その意味するところは、顧客や患者などに対してポジティブな感情をつくり出すように自らの感情を調節することを業務として行い、報酬を得るような労働となります。たとえば、快適な旅となるよう接客を通して笑顔になってもらう、不満な感情を持つクレーマーの話を聴いて落ち着いてもらう、といった対応です。代表的な職業として、客室乗務員、看護師、介護士、販売員、コールセンターのオペレーターなどが挙げられます。
総務担当者の業務を考えると、近しい部分があると思いませんか? 総務担当者の業務範囲は会社によって大きく差があると思いますが、各部門の社員からのさまざまな要望に応え、社外でトラブルがあれば対応し、どこの部署の業務範囲なのかあいまいな業務は一手に引き受ける、そんなご苦労があるかと思います。持ち込まれる業務にトラブルの要素が大きいほど、あるいは総務担当者として熱心で社員に笑顔でいてもらいたいと願うほど、感情労働としての側面は強くなります。
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