総務の引き出し(メンタルヘルス)
職場でトラブルを起こす従業員、もしかして発達障がい? 「支援疲れ」にならないための向き合い方
さんぎょうい株式会社 メンタルヘルス・ソリューション事業室 室長 佐倉 健史
最終更新日:
2024年06月19日
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今回は、近年問題として取り上げられることが増えている「発達障がい」について、企業としていかに向き合えばよいのかを紹介します。
課題として定着しつつある職場の発達障がい
「空気が読めなくて取引先に失礼なことをいったのに、悪びれるようすもない」、「何度注意してもダブルブッキングや約束をすっぽかすミスがなくならない」、「うるさくて集中できないからと執務室での業務を拒否して会議室にこもりたがる」、「非効率な業務の進め方を指導してもこだわりが強すぎて改めようとしない」。これらは、発達障がいの傾向を持つ人が職場で起こしやすいトラブルです。みなさんの会社では、こうした発達障がいによる行動について、問題になったりしていませんか。筆者の感覚では、ここ10年ほどで総務担当者や管理職からの「従業員・部下が発達障がいではないか」という相談が増えてきました。もはや発達障がいは特殊で専門的な問題ではなく、どこの総務担当者や管理職でも情報収集をしたり、従業員・部下がそうであった場合の対応を想定しておく必要のある課題になったのです。
発達障がいの多様性
細かい分類や症状はほかに譲るとして、ここでは、発達障がいの基本のおおまかな知識を整理します。まず、発達障がいは大人になってから発症するようなものではなく、幼少時から連続しています。そしてその原因は不明な部分が多いものの、脳の機能障害から起こるものであり、生まれつきとされています。親の教育の仕方や学業・業務のストレスから発症するようなものではありません。
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