総務の引き出し(メンタルヘルス)
休職者の再スタートを支える企業へ 知っておきたい「リワーク」活用のメリット
インクルード株式会社 副本部長兼企業連携チームマネージャー 山川 隆司
最終更新日:
2025年11月21日
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前回まで、メンタルヘルス不調の方や精神障がいの方自身がリワークを活用する効果やメリットについて解説をしてきました。今回は、視点を企業の休職や復職にかかわる方に変え、担当者視点でそれらを見ていきましょう。
リワークが企業からも必要とされる社会的背景
(1)精神疾患患者数の増加
こちらは厚生労働省から出されている精神疾患患者数の統計調査です。
2017年の精神疾患患者数は419.3万人でしたが、2020年の統計では、調査方法が変更されたものの、614.8万人と大幅に増加しています。直近の2023年でも603万人と依然減少しているとはいい難い状況が続いています。特に、外来患者(通院者)が増えており、慢性的な心の不調を抱える人が多くなっていることがわかります。
また、2022年には、82.2%の労働者が「仕事や職業生活で強い不安・悩み・ストレスを感じている」と回答している調査もあり、ストレスを起点としたうつ病・適応障がい・不安障がいなどの発症が増え、休職者の増加とともにリワークへの必要性につながっていると考えられます。
(2)休職後の高い再発率
厚生労働省の「主治医と産業医の連携に関する有効な手法の提案に関する研究」では、うつ病などで休職した方のうち、5年以内に再休職する方の割合が47.1%であるという結果が出ています。(1)で説明したように精神疾患患者数が年々増加の傾向にある中で、復調して再度業務に復帰したとしても、症状が再燃してまた働けなくなる状態になるという悪循環に陥っている人は少なくないということです。
企業側としても、服薬と療養だけで休職した従業員が問題なく職場復帰できるといったイメージを変化させていき、復職準備のために必要な「訓練」の概念を取り入れていく必要があると考えられます。
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