メンタルヘルス不調には「リワーク」で復職準備を 再発を防ぐ生活習慣と通勤訓練の取り組み

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前回はメンタルヘルスの不調予防に有効なリワークサービスについて、以下の内容などを解説しました。
- メンタルヘルス不調の再発はなぜ起きるのか
- 再発防止に有効なリワークサービスについて
- リワークサービスの効果
今回はリワークの具体的な取り組みについて、より詳細な内容の説明とともに、どういった方に使っていただくとよいかなどを紹介します。
リワークの代表的な取り組み
(1)生活習慣・健康状態を整える取り組み
休職中は、病状の関係で生活習慣が不安定になりやすいため、多くのリワーク施設でもその重要性を認識して、改善に取り組んでいます。主に生活習慣日誌・生活管理表など一日の生活サイクルの記録を行いながら、リワーク担当スタッフと毎日の生活習慣が適正か、課題があるのであればどこにあるのかなどを一緒に確認をしていきます。また、講座やプログラムを通して、睡眠や食事を整えるための知識などを学び、今後の自身の健康管理に生かせるよう学びの機会をつくります。
また、休職中の方にとって乱れている生活習慣を整えることはもちろん大事ですが、その状態を復職後にも継続し、習慣として定着させることも非常に重要です。仕事に重要とされる能力は「スキル」「経験値」「コミュニケーション力」などさまざまな内容がありますが、そういった能力が遺憾なく発揮できるのは、生活習慣に乱れがなく、健康管理が適切に行えている状態にあるときでしょう。たとえば、睡眠が不足していれば、どれだけ高い能力を有していても十分に発揮することは難しいといえます。
筆者が運営するリワークでも生活習慣を整える取り組みを行っており、脳科学者や精神科医の監修、東北大学との認知機能維持に関する共同研究、うつ病と生活習慣に関するエビデンス研究をベースに独自のプログラムを構築し、休職されている方の生活習慣の改善と向上を行い、復職後も安定した就労につなげられるよう取り組んでいます。
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