体調や環境が違うと必要な支援も変わる 年代層ごとに考えるメンタルヘルス不調の予防と対応
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精神疾患やメンタルヘルス不調は、誰にでも起こり得る身近な健康課題です。前回の記事では、年代層ごとに見られやすい不調の特徴や、その表れ方について解説しました。
実は、年齢によって不調の表れ方が異なるだけでなく、有効な予防策や対応方法も大きく変わります。年代層ごとの特性を理解し、それぞれに合った対応を取ることが、重症化や長期化を防ぐ上で重要なのです。今回は、「不調を未然に防ぐための取り組み」と「実際に不調が生じた場合の対応」について、年代層別に詳しく解説します。
年代層ごとに合わせたメンタルヘルス不調の未然防止とは
年代層別の防止策として、以下の取り組みが有効と考えられます。
10〜20歳代:知識と相談環境
30〜40歳代:職場環境の調整
50〜60歳代:生活習慣と役割への配慮
【10〜20歳代】
10〜20歳代については、知識・気付き・相談のしやすさが最大の予防につながります。
思春期から青年期にかけては、心身ともに大きな変化が起こる時期です。前回の記事でも触れたように、進学や就職、人間関係などの変化が重なることで、不安障害やうつ病が発症しやすくなります。また女性の場合、見た目への意識が過剰になることで、度を越えたダイエットをきっかけに摂食障害を招くこともあります。さらに、社会に出てから発達障害に気付くケースも見られます。
この年代層の予防で最も重要なのは、「メンタルヘルスに関する正しい知識を持つこと」、また「困ったときに相談できる環境を整えること」です。ストレスを感じたり、気分が落ち込んだりすることは特別なことではなく、誰にでも起こり得るものだと、早い段階で伝え、理解を促すことが重要です。呼吸法や感情の整理、ストレスの言語化といった基本的な対処スキルを身に付けることで、不調の深刻化を防ぐ効果があるとされています。
学生であれば、スクールカウンセラーや保健室の先生などに相談することができますが、社会人になると相談先は限られがちです。特に入社間もない時期は、不調を打ち明けにくく、メンタルヘルスの不調があっても我慢してしまう傾向が見られます。20歳代の社員に対しては、メンタルヘルスの基礎知識を学ぶ社内研修などを実施するほか、SNSでの相談や保健師・社内カウンセラーなど、複数の相談先を用意することで「助けを求めるハードル」を下げていくことが有効と考えられます。
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