総務の引き出し(防災)

「群衆雪崩」への備えと対策

ソナエルワークス代表  高荷 智也
最終更新日:
2022年01月17日

前回のコラムでは、大地震による恐ろしい二次災害の一つである、地震火災について解説しました。今回は同じ大地震によるもう一つの二次災害、群衆雪崩と呼ばれる被害と対策についてお話しします。

群衆雪崩とは何か

群衆雪崩とは、人がたくさん集まることで発生する事故の名称であり、最悪の場合は短時間に大量の圧死者・窒息者が生じることもある現象です。近い将来の発生が想定されている、首都直下地震をはじめとする都市部の大地震においても発生の可能性が指摘されています。

過去に発生した群衆雪崩

日本で発生した群衆雪崩の事例として最悪だったものの一つが、2001年7月21日に兵庫県明石市で発生した、「明石花火大会歩道橋事故」です。

この日、JR神戸線の朝霧駅南側にある海岸で花火大会が行われました。この会場と最寄り駅である朝霧駅は、国道をまたぐ1本の太い歩道橋でつながれていましたが、駅から会場へ向かう客と会場から駅へ帰宅する客が合流して大変な混雑となり、群衆雪崩が発生、子供9人を含む11人が死亡、247人が負傷するという大惨事に発展しました。このとき、歩道橋上の人の密度は、1m2当たり13人を超える超過密状態だったと想定されています。

明石花火大会歩道橋事故が生じた朝霧歩道橋。写真中央に慰霊碑が見える。この広い歩道橋を数千人の客が埋め尽くし、群衆雪崩が発生した(筆者撮影)

群衆雪崩が発生する状況

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