総務の引き出し(防災)
単調で成果が見えにくい……。防災業務の経験の先に、総務担当者としてのキャリアアップはある?
BCP策定・気候リスク管理アドバイザー、文筆家 昆 正和
最終更新日:
2024年09月25日
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「うちの会社の防災業務、いまひとつ身が入らないなあ……」。このように感じている方はいませんか? 防災業務のコアバリューを見直してみましょう。
総務担当者が抱える防災業務の悩み
防災業務を担当する総務部門では、以下に述べるような悩みを抱えている人が少なくないといわれています。
防災業務の担当者にとって、最も頻繁に直面する問題の一つは、仕事の単調さが挙げられます。防災計画は一度作成すればそのあとはほとんど目を通すことはないし、避難訓練や防災設備の点検なども、同じことの繰り返し……。この単調さが続くと、担当者自身のモチベーションを維持しにくくなるかもしれません。
次の課題は社内での協力を得ることの難しさでしょうか。避難や初期消火訓練など、多くの社員が参加する活動には一定の協力が不可欠です。しかし防災の重要性が十分に認識されていないと、社員の協力を得ることが難しくなります。特に業務の繁忙期や、訓練の参加を時間の無駄と考えている人が多いと、協力の取り付けが一層困難になるでしょう。
さらに、防災業務は成果が見えないという点も課題といえるでしょう。防災訓練や防災対策が役立つかどうかがわかるのは実際に災害が発生したときです。平穏に過ぎ去る日常の中では、それらがどれほど有効であるかを実感する機会がありません。総務担当者がいくら努力をしてもその成果を直接感じることができず、自己評価や他者からの評価が低くなることがあるわけです。
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