総務の引き出し(防災)
防災備蓄ばかり用意していてはダメ。命を守り、被害の拡大を防ぐ、災害発生直後に必要な3つの対応
BCP策定・気候リスク管理アドバイザー、文筆家 昆 正和
最終更新日:
2024年11月19日
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企業防災では、消火設備の設置や避難経路の確保、非常用食料の備蓄などの「ハード面」にウエートを置きがちですが、「ソフト面」の充実も忘れてはなりません。それが災害発生直後の一連の初動対応手順です。今回は初動対応の3つのポイントを紹介します。
「危機を察知する」タイミングとは?
真っ先に必要なのは、行動を起こすきっかけとなる「危機の察知」です。災害の発生またはその兆候をいち早く捉え、その状況を正しく判断する能力のことです。しかしこのように書くと、みなさんは火災や地震などを思い浮かべながら、「災害の発生=危機の察知。それ以上でも以下でもない!」と思うでしょう。
ところが実際には、絵に描いたように速やかに目の前の危険を察知できるとは限らないのです。何か変だぞと直感的に感じ取っても、「まさかそんなことが」とか、「なに、大したことではない」と否定したり、潜在的な危険をもみ消してしまったりすることも少なくありません。これはいわゆる「正常性バイアス」と呼ばれるもので、初動が後手に回り、被害を拡大させてしまったりするわけです。
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