良いコミュニティーはこうしてできる 人事担当者交流会に参加する際に心掛けたい、Giveの姿勢
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世の中にはさまざまな職種がありますが、人事担当者ほどコミュニティー活動が盛んな職種はないのではないかと思います(調べたことはありませんが)。たとえば、営業職やマーケティング職、開発職の方々が定期的に集合して懇親して情報交換を行うというのは、ビジネス的に考えてもあまり想像ができません。「うちはこれからこういう戦略でいこうと思っているんですよね」と企業秘密を明らかにすることはないでしょう。ところが、私の知る限りだけでも、たくさんの人事担当者コミュニティーが存在します。中には数百人規模の会員のいるところもあり、イベントを開くと大きな会場が満杯になるような勢いです。
人事担当者コミュニティーが盛んな理由は?
人事担当者コミュニティーが盛んな理由の一つは、それぞれの会社の事業戦略や売り上げなどの業績には直接関係のない話題(本当はすごく関係があるのですが)ができることです。「最近はうちはなかなか若手の採用が厳しくて……」「人事制度の運用が難しくて悩んでいるんですよね……」などという話をしても、それが事業上の秘密の漏えいと思われることはあまりないでしょう。しかも業界や企業規模が違っても共通する話題が多いのも特徴です。金融業界でもIT業界でもメーカーでも採用や育成の問題は本質的には似通っています。そのため情報交換をすることで自社の悩みや課題の参考になることが多いわけです。
次に、人事担当者がコミュニティーに参加したいという気持ちになる背景として、「社内での孤独」ということもありそうです。私も長く人事担当者であったのでわかるのですが、人事は「どこの誰それがどんな問題を抱えている」など、社内にも、社内だからこそ漏らしてはいけない情報を多く抱えます。そのため、社内で誰にも相談することができず、一人でもんもんと悩んでしまうことも多いのではないでしょうか。ところが逆に中のことを全く知らない社外の人に対しては、ある問題ケースを共有してもそれが誰なのかなど特定されることがないために、比較的オープンに相談をすることができたりします。
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