総務の引き出し(採用)
アルムナイ採用は退職前の上司の行動が決め手に 一度辞めた人が再入社してくれる会社になるには?
株式会社人材研究所 代表取締役社長 曽和 利光
最終更新日:
2024年08月21日
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最近、企業の退職者(「卒業生」とか「OB・OG」などと呼ばれるようになってきています)を再び採用する「アルムナイ採用」が流行しています。「アルムナイ」(alumni)とは、「卒業生」「同窓生」を意味する言葉で、要は「出戻り社員」を採用することを指しています。現在の日本の失業率は3%を切っており、経済学的には「完全雇用」と呼ばれる状態、つまり「ほとんどの人が職に就いている状態」です。そうなると転職活動をしている「顕在層」だけをターゲットにしていても採用はできず、現在どこかで働いている「潜在層」を視野に入れなくてはなりません。その有力な対象の一つがアルムナイ採用なのです。
多くの企業がすでに実施して成果を上げている
マイナビキャリアリサーチLabの2024年1月の調査によると、すでに4割を超える企業がアルムナイ採用を実施しており、加えて3割の企業が実施を検討をしているという状況です。
有名な例を挙げると、みずほ銀行では「カムバックアルムナイ採用」を実施しています。独自のアプリ上でアルムナイネットワークを設けて退職者との交流を継続し、「社員」×「アルムナイ」もしくは「アルムナイ同士」のビジネス連携やマッチングのトライアルを行っています。その結果、導入は2020年からですが、現在の登録者は1200人超とのことです。ほかにも、日立製作所は2023年3月にアルムナイネットワークを設立し、なんと9か月間で250人が登録、結果15人が再入社という実績を上げています。
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