総務の引き出し(採用)
組織に「定着」するかどうかを見極めるには? 「辞めない人材」の特徴を浮き彫りにする4つの質問
株式会社人材研究所 代表取締役社長 曽和 利光
最終更新日:
2025年10月17日

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採用の現場では誰もが「優秀な人材がほしい」といいますが、現場の人事担当者は、どれほど能力が高くても、短期間で辞めてしまう人材を採用することは、組織にとって大きな損失になるということを痛感しているはずです。今本当に問われているのは、いかにして「辞めない人材」を見極めるか、という点です。
「定着力」は能力より「適合性」で決まる。人間関係の「相性」を探るには?
まず理解すべきは、社員が辞めるかどうかは必ずしも能力の高さと比例しないということです。離職に最も大きく影響するのは、組織との「適合性」です。心理学者のジョン・L・ホランドの「職業選択理論」にあるように、人は自分の価値観や志向が環境と一致しているとき、仕事の満足度が高まり、長期的に働き続けやすくなります。逆に、能力が高くても環境とミスマッチがあれば、早期離職につながります。ですから、採用面接の目的は「能力の証明」ではなく、「その人にとっての居心地の良さや、働く意味がこの組織にあるか」を探ることにシフトさせる必要があります。
退職理由の常連といえば「人間関係」です。しかし、これは単に「仲が良いか悪いか」という話ではありません。上司や同僚と、性格的にフィットしているか、同質的か補完関係にあるかということです。同質(似ている)はわかりやすいのですが、補完関係(補い合う)はややわかりにくいので例を挙げます。
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