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かつて、採用の舞台はオーディション型が主流でした。新卒採用ではリクナビやマイナビ、中途採用ではDODAやリクナビNEXTといった媒体に企業が広告を掲載し、それを見た求職者が応募するのが一般的な流れです。この伝統的な手法は、企業が受け身でありながらも優れた人材を引き寄せる力を発揮してきました。しかし、時代は変わりつつあります。採用難とテクノロジーの進化が拍車をかけ、スカウト型採用が新たなスタンダードとなりつつあるのです。スカウト型採用では、求職者が自らキャリア情報を新卒ならOffer Box、中途ならビズリーチなどのスカウトメディアに登録をして、それを企業が検索して、オファーを送るところから採用活動がスタートします。
評価から動機付けへ 採用担当者の役割の変容
この変化は、採用担当者に求められるスキルに大きな影響を及ぼしています。オーディション型採用が主流だった時代、採用担当者に最も求められたスキルは「評価」でした。応募者の書類や面接を通じて情報を収集し、その人物像を的確に把握し、自社に適しているかを見極める力が重要だったのです。「君は見る目があるね」というのが最高のほめ言葉でした。
しかし、スカウト型採用の時代においては、評価スキルだけでは不十分です。特に人口減少や採用難が進行する現代では、企業と求職者が対等な立場で向き合う場面が増えています。その中で、どのようにして候補者の興味を引き、内定を勝ち取るかという「動機付け」のスキルが、採用担当者の真価を問われる領域となりました。企業と個人が五分五分に相互評価する時代になったといえるでしょう。
「集める」のスキルの核は言葉と想像力
動機付けのスキルは、大きく「集める」と「口説く」の2つに分かれます。まず、候補者を「集める」際には、文章力やコピーライティングの力が重要です。これまで採用広告はプロが制作していたため、担当者は必要な情報を提供すれば済みました。しかし、スカウト型では一人ひとりの採用担当者に個別のアプローチが必要であり、候補者の心に響くスカウトメールを作成する能力が求められます。
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