総務の引き出し(採用)
もう「生の声」では学生に選ばれない? 採用も「2倍速」の時代へ。明日から取り組める3つの工夫
株式会社人材研究所 代表取締役社長 曽和 利光
最終更新日:
2025年08月21日

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今、就職活動の現場では「タイパ(タイムパフォーマンス=時間対効果)」というキーワードが広がっています。これは、若者が時間の使い方にシビアになり、「効率よく価値のある情報や体験を得たい」と考える傾向を示しています。そしてその波は、企業側の採用活動にも静かに、しかし確実に押し寄せています。
学生は「生の声」よりも「倍速再生」を選ぶ。採用担当者の「話す練習」はもう要らない
たとえば、かつては当たり前だった対面での会社説明会。スーツを着て、交通費を払い、数時間椅子に座って話を聞くスタイルに、今の学生はあまり参加しません。『就職白書2024』によれば、対面での説明会に参加する学生は平均で5社程度、オンラインでも12社程度にとどまります。
実際、ある企業の人事担当者から「説明会の録画をYouTubeにアップしたところ、夜中の11時に最も再生されていた」と聞きました。ベッドに寝転び、スマホで「2倍速」で視聴していたのでしょう。学生にとっては、「自分のタイミングで効率的に情報を得る」ことが最優先なのです。
一方、企業側は「ライブでこそ熱意が伝わる」「生の空気感が大切だ」と考え、年間100回以上の説明会を続けているところもあります。しかし、それは自己満足になっていないでしょうか。
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