今や自社だけでの採用活動は無理? アウトソーシングを利用することが「常識」になりつつある背景
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一昔前までは、採用活動のような企業にとって大変重要な仕事は、基本的には内製化することが当然でした。しかしながら、近年では自社の採用活動の一部を専門会社にアウトソーシングすることが増えています。アウトソーシングする業務は多岐にわたります。応募書類の受け付けから、候補者との選考日程調整、合否連絡、選考データ管理などのオペレーション部分を外に出すことが最も多いのですが、スカウトメディアの検索とスカウトメール送信、書類や面接などの評価・選考、説明会実施などもアウトソーシングの対象になってきています。なぜこのように採用活動のアウトソーシングが増えているのでしょうか。
採用活動のアウトソーシングを利用する企業が増えている4つの理由
1つは、採用の難易度が上がっていることです。求人倍率は新卒でも中途でもコロナ以前の水準を取り戻し、高止まりしています。その結果、1人を採用するには、新卒採用でいうと、まず採用したい人数のおよそ50倍の応募者を確保するのが平均的になっています。そして、そこから説明会や選考に呼び込んで徐々に絞っていき内定を出すに至るのですが、せっかく出した内定も平均で約50%しか受諾してくれません。つまり、同じ人数を採用するにしても、そこにかけなければいけないマンパワーやコストがどんどん増えているため、社内で足りないパワーを外に求めるというわけです。
また、採用プロセスの中でもコア業務とノンコア業務があることも、アウトソーシングが増えている理由です。最もコアな業務は、大勢の候補者の中からやっと探し当てた内定者に、入社を承諾してもらえるように情報提供をし、説得をすることです。この仕事次第で、1人入社してくれるかどうかが決まります。逆に、スカウトメディアから自社にフィットしそうな候補者を検索して、適切なスカウトメールを打つことは、確率論で考えると数百通のメールを打って、ようやく内定を出せるような業務なので、相対的に重要性は下がります。せっかく訓練した自社の採用担当に、できるだけコア業務に携わってもらうために、ノンコア業務を外に出すということです。
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