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私は長年、人事の実務を続けてきましたが、現在はコンサルタントやアウトソーサーとして、人事担当者のみなさんをサポートする立場に回っています。人事担当者の方の多くは、責任感を持ち、日々奮闘されています。しかし、残念ながら一部の方は、意識的であるか無意識的であるかにかかわらず、自社の採用力を低下させる行動を取ってしまう場合があります。これを防ぐこと、そして改善することが私の仕事です。本稿では、採用力を無意識のうちに落としてしまう行動について、よく見られるパターンを挙げてみたいと思います。これを通じて、人事担当者のみなさんが自己点検の材料にしていただければ幸いです。
採用は「成果を粉飾」しやすい
最初に挙げたいのが、「成果を粉飾する人事」です。「粉飾」という言葉には悪いイメージがあるかもしれませんが、ここでは意図せずに行ってしまうケースも含んでいます。採用業務は、ほかの業務と比べて「成果が見えにくい」という特徴があります。このため、結果が良いように見せかけることが可能なのです。
たとえば、採用できた人だけが結果として見えるため、その採用の裏側で「良い人を取り逃したのかどうか」まではわかりません。また、優秀な候補者を書類選考や面接の段階で誤って落としても、周囲にそれが伝わることは少ないでしょう。さらに、採用した人材が本当に優秀だったかどうかの評価は、通常は何年も経ってからでないと明らかになりません。
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