総務の引き出し(採用)
大卒の看板に頼るのはもうやめよう 波紋を呼んだ「高卒レベル」発言から考える令和の学歴の価値
株式会社人材研究所 代表取締役社長 曽和 利光
最終更新日:
2026年01月20日
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以前、ある自治体の首長が「工場で働いているのは高校卒業レベルの人」「頭のいい人だけが来るわけではない」という趣旨の発言をし、大きな議論を呼びました 。この発言が「学歴差別ではないか」と批判を浴びた背景には、「大卒は高卒よりも優秀である」という固定観念が透けて見えたからでしょう 。しかし、採用の最前線にいるみなさんは、すでに肌で感じていらっしゃるはずです。「学歴の高さ」と「自社での活躍度」は、必ずしも相関するわけではないということを。「優秀さ」の定義は場面によって異なります 。今、あらためて令和の日本における「学歴の価値」を問い直す時期に来ています。
データが示す「高卒人材」の圧倒的な人気
驚くべきデータがあります。リクルートワークス研究所の調査では大卒求人倍率は1.66倍の「売り手市場」ですが、厚生労働省のデータによると高卒求人倍率はそれをはるかに上回る4倍近くに達しています 。
これほどまでに高卒が求められているのは、単に「大学進学者が増えて就職希望の高校生が減ったから」だけではありません 。採用側が「採りやすい大卒」にシフトせず、あえて難易度の高い高卒採用に注力し続けているのは、そこに「大卒以上の価値」を見いだしている企業が少なくないからです 。
実際に賃金面を見ても、30歳代前半における大卒と高卒の年収差は100万円に満たないという調査もあります 。10年以上の社会人経験を経たあとの評価にこれほどの差しかないのであれば、学歴による活躍度の差は思うほど大きくないといえるのではないでしょうか 。
日本は「学歴社会」ではなく「未経験・ポテンシャル社会」である
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