総務の引き出し(採用)
人手不足の解消だけじゃない! 見過ごされた一大マーケット「就職氷河期世代」を採用するメリット
株式会社人材研究所 代表取締役社長 曽和 利光
最終更新日:
2025年03月14日

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少子化の影響により、企業は慢性的な人手不足に直面しています。労働市場の逼迫が続く中、従来の採用手法だけでは必要な人材を確保することが難しくなっています。この状況を打開する手段の一つとして注目されているのが「就職氷河期世代」の採用です。この世代は、バブル崩壊後の厳しい雇用環境で新卒採用の門戸が狭まったため、多くの人が本来の実力を発揮できずにキャリアをスタートさせました。しかし、今や40歳代~50歳代に差し掛かり、経験やスキルを積み重ねた優秀な人材が多く存在しています。企業にとっては、彼らを適切に活用することで、労働力不足の解消や組織の多様化につなげるチャンスとなるのです。
就職氷河期世代の現状
現在の労働市場は、失業率が3%を切っており、いわゆる「完全雇用」の状態にあります。失業率は低水準を維持し、転職市場の求人倍率も高止まりしているため、新卒・中途を問わず採用の難易度は上がる一方です。
他方で、就職氷河期世代の多くは、非正規雇用や短期の職歴を繰り返すなど、不安定なキャリアを余儀なくされてきました。厚生労働省のデータによれば、氷河期世代の約50万人が不本意な非正規雇用にとどまり、約39万人が就労をあきらめているとされています。しかし、彼らは決して能力が低いわけではありません。むしろ、厳しい競争の中で生き抜いてきたことにより、柔軟性や適応力、課題解決能力を備えた人材が多いのです。企業が適切な採用施策を講じることで、彼らの潜在力を引き出し、戦力化することが可能になります。
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