総務の引き出し(労働法)

高年齢者だって無期転換ルールが適用される 定年後の有期雇用において忘れてはいけない手続きは?

弁護士 安西 愈
最終更新日:
2024年04月03日
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最近は、人手不足から高年齢者を従来の福祉的雇用(高年齢者雇用安定法によって再雇用が義務付けられたこともあり、職場の戦力として活用するというより、社会的責任を果たすための雇用)から、企業の戦力として期待し、業務上の役割を求める活用型の再雇用も広がっている。高年齢者で、企業の定年を超えたあとの雇用だから、有期雇用であっても労働契約法に定める無期転換の権利などは発生しないのではないかと思っている人事担当者も多いのではないだろうか。今回は高年齢者の有期雇用における無期転換制度の適用について解説する。

高年齢者の有期雇用でも無期転換ルールを適用

高年齢者雇用安定法による定年後の継続雇用であっても、その有期社員が、自社または自社の特殊関係事業主(子会社など)の社員でも、労働局長の認定を受けていない場合、および他社に雇用されていた者を有期社員として雇用する場合には、労働契約法第18条の無期転換制度の適用を受けるので、無期雇用への転換ルールが適用される。

そこで高年齢者の雇用契約の更新にあたっても、2024年4月施行の改正労働基準法施行規則に定める雇用契約の更新の上限の有無と内容、無期転換申し込み機会や無期転換後の労働条件について、労働基準法第15条の「労働条件の明示義務」の適用を受ける。そのため、使用者がこれに違反したときには、30万円以下の罰金という定めもあるので特に注意が必要となる。

この2つのケースの相違を図示すると次のようになる。

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著者プロフィール

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弁護士
安西 愈

労基署、労働省勤務を経て、1971年より弁護士(第一東京弁護士会)。第一東京弁護士会副会長、最高裁司法研修所教官、日弁連研修委員長、東京最賃審議会会長等歴任。著書に、『採用から退職までの法律知識』(第14版)ほか多数。

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