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昔から「お客さまは神さまです」といった言葉に表されているように、商売をするにあたっては何よりも得意先その他のお客さまを大切にすることが取引上第一に守るべき心得とされてきた。しかし、だからといって顧客等から社会通念上容認される範囲を超える理不尽なクレーム、大声・暴言、いいがかり、土下座の要求といった労働者の就業環境を害するような顧客等の不当な言動が許されるわけではない。今回はこの取引先、顧客等による不当な言動の問題について述べる。
正当なクレームや改善要求とは違う! カスタマーハラスメントとは
いわゆるカスタマー(customer)ハラスメントとは、労働施策総合推進法第30条の2第3項に基づく「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(以下、指針)によれば「顧客等からの著しい迷惑行為(暴行、脅迫、ひどい暴言、著しく不当な要求等)により、その雇用する労働者の就業環境を害す言動」と定義されている。
しかし、取引先・顧客等からのクレームなどには、顧客側からの商品やサービスなどの改善を求めるものや、従業員側の対応上の不備・不適正に対する注意といった正当、妥当なクレーム、相当な改善要求の場合も多いので、厚生労働省の「カスタマーハラスメント対策マニュアル」(以下、マニュアル)では、「顧客等からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により、労働者の就業環境が害されるもの」としている。
顧客等からの従業員へのハラスメント行為に対する事業主の対応配慮義務
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