総務の引き出し(労働法)

入社半年が経過し「試用期間」終了 「不適格で本採用を見送りたい……」、どんな事由なら有効か?

弁護士 安西 愈
最終更新日:
2024年05月07日
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新入社員は入社式を終えて、フレッシュな気持ちで仕事を始めていることと思う。しかし、試用期間を経て初めて正社員になるというのが、わが国の慣行的な雇用システムである。今回は、この試用期間のことについて述べる。

「試用期間」とはどんなものなのか?

社員を採用するに当たって、初めからから直ちに正社員として採用するのではなく、3か月や6か月などの期間を定めて、「試みに使用」し、その期間中の勤務態度、能力、技能、適性などを見て正社員として採用するか否かを決定するという試用期間の制度がわが国では一般的である。その試用期間の長さは、各社の就業規則の定めによる。

この試用期間の法的な性質は、最高裁判決(昭48.12.12大法廷判決)によれば、「試用期間中に……不適格であると認めたときは解約できる旨の特約上の解約権が留保されている」「解約権留保付の雇用契約」であり、「本採用拒否は留保解約権の行使、すなわち雇入れ後における解雇にあたる」としている。

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著者プロフィール

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弁護士
安西 愈

労基署、労働省勤務を経て、1971年より弁護士(第一東京弁護士会)。第一東京弁護士会副会長、最高裁司法研修所教官、日弁連研修委員長、東京最賃審議会会長等歴任。著書に、『採用から退職までの法律知識』(第14版)ほか多数。

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