デジタル化推進は何から取り組むのが正解か ―― 経営陣を納得させる答えは「自社の中にある」
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本連載のテーマは「デジタル化推進」ですが、デジタル化推進責任者や経営者から「どの業務からデジタル化推進に取り組むべきか?」という相談を受けることが多くなってきました。ひとくちにデジタル化推進といっても、企業ごとに対象業務や優先度は異なり、また、経営環境も異なるため、容易には答えることができません。実際に、外部のコンサルティングなどを通じて、自社の各部門の担当者がヒアリングを受けて、状況把握や要件定義などを詳細にしない限りは、明確に提案することができない実情もあります。今回はデジタル化推進を行う際に、最初のデジタル化推進コンサルティングの際に行われる各業務ごとの優先度の付け方や、対象業務の選定方法について解説します。経営陣に上申・提案する際の参考にしてください。
デジタル化推進対象業務は経営計画書にあり!
デジタル化推進の対象業務のヒントは経営計画書にあります。一定規模の企業では、毎年経営計画書を作成していると思います。デジタル化推進すべき業務の優先度や重点項目は、この経営計画書に全て表れているといっても過言ではありません。経営計画書には、企業の方向性や課題、変化する環境、営業状況、それらを解決する施策などが盛り込まれています。この経営計画書に記載してあることが、デジタル化推進を行う上での重要な指針となります。
要するに、経営計画書に記載された経営者が今年1年、または中長期で取り組むべき最優先課題がデジタル化推進対象業務であるべきです。もっといえば、デジタル化推進責任者は、経営計画書の作成段階から関与し、参画するのがよいでしょう。
話をデジタル化推進対象業務選定に戻しますが、たとえば、ある企業では内部管理体制の構築が最も重要な経営課題であるとします。その場合、内部管理体制をデジタル化することが最も優先すべき事項であり、経営陣の最も欲しているデジタル化推進によるサポートといえます。
この際、デジタル化推進を始めるべき事項は、契約の電子化や社内外文書のデジタルアーカイブやアクセスログの記録、監査や内部統制に必要なワークフローの構築などのように、具体的なデジタル化による解決方法に落とし込んでいきます。
ビジネスインパクトの大きい業務からデジタル化
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