口約束によるミスやクレームを回避! 「いった」「いわない」の不毛な争いを防ぐ3ステップ
仕事には前後関係があります。自分が担当する業務の前後の工程で、おそらく職場のメンバーや他部署、お客さまとかかわることでしょう。人と人とのつなぎ目でうまくバトンを渡せないと齟齬が生まれたり、ミスやクレームの原因となったりしてしまいます。そもそも人は十人十色。自分は伝えたつもりでいても、相手には伝わらないことがあります。そこで今回は、「いった」「いわない」を防ぐワザをお伝えします。
口約束は危ない! 証拠に残す
「いった」「いわない」というやりとりは、両者の記憶があいまいだったり、見解が異なったりするときに起こります。「いった」「いわない」の争いになる原因の一つは、口約束をしたことでしょう。
口約束だけで済ませると危険です。口頭で約束を交わしたら、必ず証拠に残しましょう。具体的には、次の3つのステップで進めるようオススメします。
(1)記録する
人の話を聞くときは、忘れないようにメモやノートを取ります。どんなに記憶力に自信があったとしても、人は忘れる生き物です。ですから記憶しようとせず、必ず記録してください。
たとえば客先を訪問する日時や社内会議の開催日・場所、仕事の締め切り日などは、すぐにその場で記録することが大切です。記録する方法は、手帳などに手書きするほか、デジタル媒体に入力するなどがあります。
(2)メールを送る
(1)の「記録」は自分のための備忘録です。つまり証拠にするには不十分です。そこで口約束を交わしたあと、大事なことをメールなどに書いて相手へ送ってください。なぜかというと、何かあったときメールがよりどころになるためです。
(3)返事をもらう
メールを送れば完了!とはいきません。なぜならメールが届いていなかったり、読み飛ばされたりする心配があるためです。
そうならないよう相手へ確実にメールが届き、読んでもらい、内容に間違いありませんと確認を取る作業が必要です。必ず返事をもらいましょう。
とはいえ相手がお客さまなど目上の人だったら、ストレートに「返信してください」とは書きにくいのも事実。失礼にならないよう、配慮を感じさせるオススメのフレーズをご紹介します。
○○様にご迷惑をかけないよう、確認のメールをお送りします。
私の理解に間違いがなければ、「了解」だけでも返信をお願いいたします。
なお、社内でチャットツールを使っていれば、受信者は「メッセージを読みました」「間違いありません」を伝えるとき、「OK」「了解」を伝えるマークを付ければよいでしょう。社内のやりとりで丁寧な文章を書くと時間と労力を要するため、このようにマークで済ませる企業もあります。
変更や修正は対比法で伝える
ほかの人と仕事を進めるとき、変更点や修正点を伝えることがあります。正しく情報を伝えるために使いたいのが「対比法」です。
対比法とは、何かを伝えるときに、別のものと比べる方法です。比較すると、両者の違いがはっきり認識できるため、勘違いを防ぐことができます。
ポイントは変更前と変更後の2つをセットにして伝えることです。「何を」「何に」変えるのかをハッキリさせると誤解を生みません。
ケース1:日程を変更するとき
変更前:10月25日(水)
変更後:10月27日(金)
ケース2:ファイルの差し替えをお願いするとき
誤:ファイル名「○○」
正:ファイル名「○○_2」
※ファイル名を変え、最新版がわかるようにする
ケース3:担当者が交代するとき
202X年度の担当者:豊田
202Y年度の担当者:三浦
今回は「いった」「いわない」の不毛な争いを避け、お互いの仕事がうまくいくよう3つのステップをお伝えしました。
(1)口約束をしたら必ずその場で記録する
(2)相手にメールなどを送り、情報を共有したり証拠に残したりする
(3)相手から「確認した」「間違いない」という返事をもらう
「わざわざメールを送るなんて面倒だな」「返事がほしいなんて書きにくい」と二の足を踏む人もいますが、ひと手間かけると、のちのち相手から感謝されたり、信頼されたりするはずです。
自分のためはもちろん、相手のためにもなりますので、今回ご紹介した3つのステップをぜひお試しください。
※掲載されている情報は記事公開時点のものです。最新の情報と異なる場合があります。
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