総務の引き出し(労務管理)
自己都合退職が増える可能性も 2025年4月の改正で失業手当の給付制限が期間短縮、一部撤廃に
岡田人事労務管理事務所 所長、株式会社ワーク・アビリティ 代表取締役 岡田 良則
最終更新日:
2025年03月07日

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2025年4月から、失業手当(正しくは「基本手当」)の給付制限が大きく見直されます。これまで、自己都合で退職した場合、失業手当を受け取るまでに一定の「給付制限期間」が設けられていましたが、この期間が短縮されることになりました。また、教育訓練を受講することで、給付制限が撤廃される仕組みも新たに導入されます。これらの改正は、自己都合退職者の生活支援を強化するとともに、労働市場の流動性を高めることを目的としています。今回はこの見直しについて詳しく解説します。
退職から失業手当が振り込まれるまでの流れ(現行制度)
まずは現行制度がどうなっているか見ておきましょう。現在の制度では、自己都合で退職した場合、失業手当が実際に振り込まれるまでに図表1のような流れがあります。
図表1:失業手当が振り込まれるまでの流れ
退職 | 会社を退職し、離職票を受け取ります。 |
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ハローワークでの手続き (求職の申し込み) |
離職票を持ってハローワークに行き、求職の申し込みを行います。この日が失業手当の受給資格決定日となります。 |
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待期期間(7日間) | 受給資格決定日から7日間は「待期期間」とされ、この間は失業手当は支給されません。 |
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給付制限期間(2か月) | 自己都合退職の場合、待期期間に続いて2か月の「給付制限期間」が設けられます。この期間中も失業手当は支給されません。 ※過去5年以内に2回を超えて自己都合で退職した場合は3か月の給付制限となります。 |
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失業の認定 | 給付制限期間終了後、4週間ごとにハローワークで失業の認定を受けます。 |
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失業手当の振り込み | 失業の認定を受けてから約1週間後に、失業手当が指定の口座に振り込まれます。 |
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