総務の引き出し(労務管理)
いわゆる正社員との違いは? 改正育児・介護休業法への対応としても注目の「多様な正社員」の要件
いちご社会保険労務士事務所 代表 岡田 和大
最終更新日:
2025年06月12日

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選択的週休3日制や転勤を伴わない正社員制度など、多様な働き方が注目されています。社員のニーズに沿った制度を構築することで、働きやすいだけでなく、長く働ける職場になります。ここでは、多様な正社員(※)制度について確認してみましょう。
※「限定正社員」「多様な形態による正社員」「ジョブ型正社員」などの呼び方をすることもありますが、本稿では「多様な正社員」とします。
典型的な正規雇用(いわゆる正社員)と多様な正社員の違い
厚生労働省が2012年3月28日に公表した「望ましい働き方ビジョン」では、正規雇用を原則として以下のいずれも満たす雇用形態としています。
(1)労働契約の期間の定めはない
(2)所定労働時間がフルタイムである
(3)直接雇用である(労働者派遣のような契約上の使用者ではない者の指揮命令に服して就労する雇用関係(間接雇用)ではない)
上記の「正規雇用」のうち、大企業で典型的に見られる形態としては、長期雇用慣行を背景として(1)から(3)に加え以下の要素をも満たすイメージで論じられることが多く、「典型的な正規雇用」(以下、いわゆる正社員という)といわれています。
(4)勤続年数に応じた処遇、雇用管理の体系(勤続年数に応じた賃金体系、昇進・昇格、配置、能力開発等)となっている
(5)勤務地や業務内容の限定がなく、時間外労働がある
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