総務の引き出し(労務管理)
あなたの会社は対応している? 「同一労働同一賃金」ルールで見落としがちな「福利厚生」の待遇
岡田人事労務管理事務所 所長、株式会社ワーク・アビリティ 代表取締役 岡田 良則
最終更新日:
2023年05月15日
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「食堂や休憩室、ウオーターサーバーの利用は正社員のみで、パートタイマーや派遣社員は利用できない」、「インフルエンザ予防接種の費用補助は正社員のみ」、「健康診断を受けている間、正社員には給与が出るがパートタイマーは出ない」、「正社員は昼食補助が出るのに契約社員には出ない」 ―― 。このように、正社員と非正規社員の間で差を設けている企業があるようです。2020年4月(中小企業では2021年4月)より、「同一労働同一賃金」が施行されています。上記の例は「賃金」ではなく、「福利厚生」に関するものです。食堂の利用や健康診断の取り扱いなど「福利厚生」において、正社員と非正規社員の間で格差を設けることは問題ないのでしょうか? 今回は、福利厚生に関する同一労働同一賃金の問題を2回に分けてご紹介します。
同一労働同一賃金とは
初めに、基本的な同一労働同一賃金のルールを確認しておきましょう。
パートタイム・有期雇用労働法では、同一企業内において正社員と非正規社員の間で、基本給や賞与などあらゆる待遇について不合理な待遇差を設けることを禁止しています。これがいわゆる「同一労働同一賃金」です。派遣労働者についても同じ時期に労働者派遣法が改正され、同様に不合理な待遇差が禁止されています。
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