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【年金制度改正法】「年収106万円の壁」の撤廃だけじゃない! 見落とせない改正ポイントを解説
いちご社会保険労務士事務所 代表 岡田 和大
最終更新日:
2026年01月15日
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年金制度改正法が2025年6月13日に成立しました(2025年6月20日公布)。家族の在り方やライフスタイルが多様になっていることなど昨今の社会や経済の変化に合わせて、働き方や男女の違いにとらわれず、誰もが利用しやすい年金制度となるように法律が改正されます。ライフスタイルや家族構成の多様化を踏まえた年金制度を構築するとともに、所得再配分の強化や私的年金制度の拡充等により、高齢期における生活の安定をはかるための取り組みも進められます。企業にとっても影響がある内容となっていますので、主な改正点を確認しておきましょう。
公的年金制度における5つの見直し
1. 被用者保険の適用拡大など
(1)短時間労働者の適用要件のうち、賃金要件を撤廃するとともに、特定適用事業所(※)の企業規模要件を2027年10月から2035年10月までの間に段階的に撤廃します。
賃金要件の撤廃とは、いわゆる年収106万円の壁をなくすことです。特定適用事業所の被保険者に適用される「月額賃金8.8万円以上」が撤廃されます。これは全国の最低賃金引き上げ状況を見極めて改正法公布日から3年以内に廃止となります。
企業規模要件の撤廃のスケジュールは図表1の通りです。ただし、下記の期限を待たずとも労使合意に基づき加入することも可能です。
※特定適用事業所:1年のうち6か月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業等のことです。
図表1:企業規模要件の撤廃スケジュール
| 現在の対象企業 | 51人以上の企業 |
| 2027年10月から | 36人以上の企業 |
| 2029年10月から | 21人以上の企業 |
| 2032年10月から | 11人以上の企業 |
| 2035年10月から | 10人以下の企業 |
※10年かけて段階的に対象の企業を拡大
※上記の期限を待たずに労使合意に基づいて加入することも可能
※上記の期限を待たずに労使合意に基づいて加入することも可能
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