職場でトラブルに……なぜ「大人の発達障がい」が増えているのか? 知っておきたい発達障がいの基本
前回、前々回を通して、休職者の方の適切な職場復帰と再発防止に有効な復職支援「リワーク」についての概要と具体的な取り組みなどについて紹介してきました。今回から、近年休職~復職の対象層の中でも増加傾向にある「発達障がい」について、2回にわたり解説していきます。
発達障がいとは
最近では「大人の発達障がい」という言葉を耳にする機会も多いかと思いますが、そもそも発達障がいは、脳機能の発達に先天的特性があり、幼少期から社会性・コミュニケーション・注意力・感覚処理などに困難を抱える状態を指します。主に自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動症(ADHD)、学習障がい(LD)などが含まれます。症状や特性は、外見からではわかりづらいことも多く、職場での理解や適切な配慮が重要となります。
発達障がいは国際的な診断基準である「DSM-5(米国精神医学会)」や「ICD-10(WHO)」において、神経発達症群(Neurodevelopmental Disorders)に分類されており、これは精神障がいの一領域とされています。日本の障がい者福祉制度においても、発達障がいは精神障害者保健福祉手帳の対象となっており、法的には「精神障がい」に分類されますが、症状や特性には個人差があり、必ずしも手帳取得を必要とせず、うまく特性と付き合いながら社会生活を送られている方も少なくありません。
厚生労働省の「生活のしづらさなどに関する調査(2022年)」によると、医師から発達障がいと診断された成人の推計数は約87万2000人(障害者手帳所持者:79.1%/障害者手帳非所持者・所持不詳:20.9%)で、前回調査(2016年)の約48万1000人から大幅に増加しています。この増加は、発達障がいに対する認知度の向上や診断技術の進歩、社会的な理解の深化が影響していると考えられます。
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