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『月刊総務』は、全国の総務担当者を対象に「総務のキャリアに関する調査」を実施し、250名から回答を得た。
- 調査結果 概要
9割近くが総務の仕事が好きだと回答する一方、「ずっと総務を続けたい」は3割以下
総務という仕事が好きか尋ねたところ、「とても好き」と「やや好き」が合わせて85.6%と、9割近くが総務の仕事が好きだと回答した(n=250/全体)。
総務の仕事に対する今後の意向について尋ねたところ、「当面は総務を続けたい」が45.2%で最も多く、「ずっと総務を続けたい」が28.8%、「ある程度のキャリアを積んだら別の職種に変わりたい」が13.6%と続いた(n=250/全体)。
総務とほかの仕事を兼務しているか尋ねたところ、「人事」との兼務が41.6%で最も多く、「総務専任」が40%と続いた(n=250/全体)。
どのように総務に配属されたか尋ねたところ、「他の部門を経て総務部門に異動」が56.8%で最多となった(n=250/全体)。
- 他の部門を経て総務部門に異動:56.8%
- 総務の専門職として中途採用:19.2%
- 入社時から一貫して総務部門:15.6%
- ジョブローテーションの一環で配属:8.4%
半数以上が総務の仕事は適正に評価されていないと回答
総務の仕事は適正に評価されていると思うか尋ねたところ、「あまり適正に評価されていない」と「全く適正に評価されていない」が合わせて54.0%と、半数以上が総務の仕事は適正に評価されていないと思っていることがわかった(n=250/全体)。
<評価されていると感じる理由/一部抜粋>
- トップが総務の役割を理解して重視してくれているので
- 働き方改革などで存在感が増している
- 総務部の行っている業務を全社に見える化し効率化を促進・他部門間のハブ的な役割も行ったところ高く評価された。執行役員に任命されたことは、異例だと思うと同時に感謝している
- 既存業務にとらわれることなく、大胆な改革を進めていくことに対して担当役員の理解がある
- COVID-19以降、評価されはじめているとは感じます
<評価されていないと感じる理由/一部抜粋>
- 総務の業務は”当たり前”を要求される部所。備品、労務、雑務、すべて出来て当たり前。なので、日々完全、努力が見えにくい部署であり、評価の対象として見られていない
- 営業や現場と異なり、結果測定が難しく、仕事の効率化を進めても評価されない。結果、残業時間を減らして給与は減ったままとなっているため
- いまだに雑用係としか思われていない。正しい事を発言しても総務のくせにと言われたり、何もしていないという発言も聞こえてくる
- CSR、内部統制、秘密情報管理、IT・DX等技術革新への対応など、担当業務が広がり業務負荷も増大しているが、予算・人員配置がそれに見合う形となっておらず、旧態依然とした仕事をしているイメージされていると感じる
- 総務の社内イメージはだいぶ改革はしてきたが、まだまだ専門職だという認識が低く、戦略的に取り組めることとお願いベースでグレーゾーン案件がふってくる
総務職での転職経験ありは3割以下
総務職での転職経験について尋ねたところ、「ある」が24.8%、「ない」が75.2%という結果となった(n=250/全体)。
9割近くが総務の仕事に自分の能力が生かされていると実感
総務の仕事に自分の能力が生かされていると思うか尋ねたところ、「とても生かされている」と「やや生かされている」が合わせて89.2%と、9割近くが総務の仕事に自分の能力が生かされていると思っていることがわかった(n=250/全体)。
総務として必要なスキル1位「調整力」2位「コミュニケーション力」3位「トラブル処理能力」
総務として必要なスキルはなんだと思うか尋ねたところ、「調整力」が87.6%で最も多く、「コミュニケーション力」が84.8%、「トラブル処理能力」が74.4%と続いた(n=250/全体)。
- 調整力:87.6%
- コミュニケーション力:84.4%
- トラブル処理能力:74.4%
- 情報収集力:74.0%
- 事務処理能力:68.4%
- 傾聴力:62.4%
- 社内人脈づくり:59.2%
- 交渉力:53.2%
- スケジュール管理能力:53.2%
- 企画立案力:48.0%
- 社外人脈づくり:44.0%
- 経営力(経営者マインド):41.2%
- プレゼン力:32.0%
- その他:6.4%
<その他/一部抜粋>
- 法務のスキルやノウハウ
- ITリテラシー
- 情報発信力
- 段取り力
総務のキャリアを積む上での資格取得は8割以上が意欲あり
総務のキャリアを積む上で、資格を取得したいと思うか尋ねたところ、「積極的に取得したい」が42.0%、「できたら取得したい」が44.4%、「取得したくない」が13.6%という結果となった(n=250/全体)。
<取得したい資格/一部抜粋>
- ファシリティマネージャー
- 社会保険労務士
- 衛生管理者
- 産業カウンセラー
- 中小企業診断士
- どんな資格をとればキャリア形成につながるかを知りたい
8割以上が総務のキャリアにおいてロールモデル不在
総務のキャリアを描く上で、ロールモデルになる人はいるか尋ねたところ、「いる」が17.2%、「いない」が82.8%という結果となった(n=250/全体)。
<ロールモデルのお手本にしたいところ/一部抜粋>
- ある意味で社員と一線を引きつつ、経営目線と社員目線の両観点から仕事に取り組んでいるところ
- 物事を俯瞰でとらえ、細かいところまで気を利かせられるところ
- どんな職場環境、働き方が会社として求められているかを情報収集し、提案・交渉・実施まで一通り対応できる力
総評
今回の調査では、総務として働いている人の多くが総務の仕事が好きで、かつ自身の能力を生かせていると思っていることがわかった。その一方で、ずっと総務の仕事を続けたいという回答は少なく、その背景にはロールモデルの不在など、総務としてキャリアを積むイメージが持てていないという理由があると推測される。
これからの時代に求められるのは、ルーチン化している業務をこなしていく「受け身」な総務ではなく、会社を変えるために自ら考え仕掛けていき、そのために自らも変わっていく戦略総務。そこには、総務として必要なスキルにもあった「経営力」がより重要となるだろう。
【調査概要】
調査名称:総務のキャリアに関する調査
調査対象:『月刊総務』読者、「月刊総務オンライン」メルマガ登録者ほか
調査方法: Webアンケート
調査期間: 2021年10月15日〜10月21日
有効回答数:250件
※各回答項目の割合(%)は、端数処理の関係上、合計が100%にならない場合があります
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【調査結果の引用時のお願い】
※本調査内容を転載・ご利用いただく場合は、出典元の表記をお願いします。
例:「『月刊総務』の調査によると」「『月刊総務』調べ」など
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