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『月刊総務』は、全国の総務担当者を対象に「週休3日制と働き方についての調査」を実施し、141名から回答を得た。
約9割が週休3日制の導入を「検討したことがない」
週休3日制を導入しているか尋ねたところ、「導入している」が3.5%、「導入を検討している」が3.5%、「検討したが導入しなかった」が4.3%、「導入を検討したことはない」が88.7%という結果になった(n=141)。
<導入している・導入を検討している理由>
- 採用競争力、従業員の柔軟な働き方
- 多様な働き方を認めたい
- ワーク・ライフ・バランス実現
- 親会社が導入した
<導入していない・導入を検討していない理由>
- 現時点で必要性を感じていないため
- 週休3日にしても生産性は上がらないと思うため
- 週3日では業務が回らない
- 顧客に合わせた働き方が業種のため
週休3日制のメリットは「ワーク・ライフ・バランスの向上」がトップ
週休3日制の企業側のメリットはなにか尋ねたところ、「ワーク・ライフ・バランスの向上」が70.9%、「従業員のモチベーションアップ」が42.6%、「人材採用」が32.6%と続いた(n=141)。
週休3日制の導入ネックは「部署間の不公平」「出勤日の勤務時間の増加」など
週休3日制の導入のネックになにか尋ねたところ、「部署間の不公平」が62.4%、「出勤日の勤務時間の増加」が49.6%、「従業員間の不公平」が46.8%と続いた(n=141)。
約7割の総務が、自社でも週休3日制を導入したいと「思わない」
総務として、自社でも週休3日制を導入したいか尋ねたところ、「とても思う」が10.6%、「やや思う」が22.0%、「あまり思わない」が47.5%、「全く思わない」が19.9%という結果になった(n=141)。
<導入したい理由>
- ワーク・ライフ・バランスの向上、採用に有利となると考えられるため
- 人材採用における差別化や、社員のウェルビーイングの向上に役立つと思うため
- 人によっては家庭の事情などでその方が働きやすい人もいる
- より業務に集中できるし、休日が増えるため、ON/OFFが付けられる
<導入したくない理由>
- 主に生産部門の人員調整が困難
- 勤務日の業務が増加するように思うため
- 業務形態から現実的ではない
- 業務内容によっては適用できないため、従業員間に不公平が生じるため
週休3日制度を導入するとしたら「月または年単位で労働時間を調整し給与は減らさない」が約2割
あなたの会社で週休3日制を導入するとしたら、どんな形になると思うか尋ねたところ、「そもそも実現できない」が34.0%、「月または年単位で労働時間を調整し給与は減らさない」が21.3%、「給与を減らして導入する」が17.7%と続いた(n=141)。
- そもそも実現できない:34.0%
- 月または年単位で労働時間を調整し給与は減らさない:21.3%
- 給与を減らして導入する:17.7%
- 1日の勤務時間を増やして給与は減らさない:16.3%
- 勤務時間は減るが給与は減らさない:10.6%
半数以上が、コロナが明けて働き方の見直しを実施
コロナが5類になり、働き方の見直しをしているか尋ねたところ、「はい」が55.3%、「いいえ」が44.7%という結果になった(n=141)。
<見直しをしている内容>
- テレワークから出社に戻した
- 在宅勤務から出社に戻したタイミングで、「在宅勤務制度」を新たに設けた
- コロナ陽性になった際の出勤ガイドラインの見直し
- 出張の許可 イベントへの参加許可
インターンシップによる採用予定人数は4割以上が「20%未満」
就業規則を法令遵守の観点から見直すことができているか尋ねたところ、「十分に見直せている」が34.0%、「やや見直せている」が53.9%と、合わせて87.9%の企業が見直せていることがわかった(n=141)。
<就業規則について課題に感じていることやエピソード>
- 法改正等による就業規則見直しが早い段階から準備できていない事が課題
- 定期的なアップデートは割と工数が掛かる
- 経営陣が変わる度に内容が二転三転すること
- 時代とともに変化に対応できていない
就業規則の作成あるいは見直し時に、誰に確認してもらっているか尋ねたところ、「社労士」が57.4%、「弁護士」が19.9%と続いた。また、誰にも見てもらっていない企業が約2割にのぼることも明らかになった(n=141)。
- 社労士:57.4%
- 弁護士:19.9%
- その他:15.6%
- 見てもらっていない:19.9%
約10社に1社が、就業規則に穴があり従業員とトラブルになった経験あり
就業規則に穴があり、従業員とトラブルになったことはあるか尋ねたところ、「はい」が9.9%、「いいえ」が90.1%という結果となった(n=141)。
<トラブルの内容>
- 手当の支払基準、昇給の基準など
- 残業時間の法令遵守
- 休職の取り方
- 正社員と契約社員で差がある ジェンダー問題
総評
2021年6月に決定した骨太の方針の中に「選択的週休3日制の普及」が盛り込まれ、さらに、現在国会で盛んに議論されている“異次元の少子化対策”においても選択的週休3日制度の普及が盛り込まれている。
こうした背景から注目の集まる週休3日制だが、まだ多くの企業が導入の検討にも至っていないという実情が本調査で明らかとなった。社内の人繰りや取引先などの理解、そして管理の問題など、まだ現場の総務にとってハードルに感じることも多くあるだろう。
現在、働き方の多様化が進んでいる。週休3日制を導入している企業がそのノウハウを公開することで、社会全体として週休3日制導入の機運が高まっていくだろう。継続的に情報収集をしながら、自社に合った運用の形を検討し続けることが重要となる。
【調査概要】
週休3日制と働き方についての調査
調査機関:自社調査
調査対象:『月刊総務』読者、「月刊総務オンライン」メルマガ登録者ほか
調査方法: Webアンケート
調査期間:2023年5月19日〜2023年5月26日
■調査結果の引用時のお願い
※本調査内容を転載・ご利用いただく場合は、出典元の表記をお願いします。
例:「『月刊総務』の調査によると」「『月刊総務』調べ」など
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