『月刊総務』調査

コロナ禍のBCPは見直す必要があるも未対応。テレワークは出社とのハイブリッドで継続が半数

月刊総務 編集部
最終更新日:
2022年01月27日
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『月刊総務』は、全国の総務担当者を対象にBCPとテレワークに関する調査を実施し、176人から回答を得た。

  1. 調査結果 概要

第1部:テレワークについて

8割以上がテレワークを実施中。実施ルールは「全社的に実施で出社日の設定なし」が最多

テレワークの実施状況について尋ねたところ、8割以上がテレワークを実施していることがわかった。実施ルールは「全社的に実施(出社日が設定されていない)」が42.0%で最多となった(n=176)。

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  • 全社的に実施(出社日が設定されている):8.5%
  • 全社的に実施(出社日が設定されていない):42.0%
  • 一部の部署で実施(出社日が設定されている):5.7%
  • 一部の部署で実施(出社日が設定されていない):23.9%
  • テレワークは実施していない:19.9%

約半数がテレワークの継続意向について「テレワークと出社のハイブリッドにする」

テレワーク継続の意向について尋ねたところ、「テレワークと出社のハイブリッドにする」が48.2%で最多となった(n=141/テレワークをしている企業)。

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  • テレワークと出社のハイブリッドにする:48.2%
  • コロナに関係なく現行のルールで継続する:31.2%
  • コロナが収束したら基本出社に戻す:17.0%
  • その他:3.5%

<オミクロン株(第6波)によるテレワーク対応の変化 / 一部抜粋>

  • ほぼ従来の出勤体制に戻りつつあったが、再度テレワーク体制の活用を推奨することとした
  • 出社率目標は50%で維持しているので変更していない

<テレワークの課題や悩み / 一部抜粋>

  • コミュニケーションの取りづらさ(特に新入社員や中途社員等、社内人脈のない社員)
  • かなり事前の申請が必要なルール付けがされ、柔軟な対応ができなくなった
  • 客先から届く郵便物の対応
  • 押印や原本が必要な書類の対応
  • 業務実態の把握ができず、「仕事をしていないのではないか」と現場でいざこざが起こっていること

第2部:BCPについて

BCP策定済みは約半数。2020年7月の調査から12.2ポイント増加

BCPの策定状況を尋ねたところ、「策定済み」は51.1%で、2020年7月の調査から12.2ポイント増加した(n=176)。※かっこ内は前回調査(n=216)

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  • 策定済み:51.1%(38.9%)
  • 策定中:20.5%(25.9%)
  • まだ策定していないが策定予定である:19.9%(24.1%)
  • 策定しておらず今後も策定予定はない:2.8%(6.9%)
  • わからない:5.7%(4.2%)

自然災害へのBCP対策が最多。パンデミックは前回調査から11.7ポイント増加

また、策定済みの企業にどんなリスクに対してBCP対策をしているか尋ねたところ、「自然災害(地震、水害等)」が97.8%で最も多く、パンデミック(インフルエンザ、新型ウイルス等)は70.0%で前回調査より11.7ポイント増加した(n=90)。※かっこ内は前回調査(n=84)

  • 自然災害(地震、水害等):97.8%(97.6%)
  • パンデミック(インフルエンザ、新型ウイルス等):70.0%(58.3%)
  • オフィスや自社施設の火災:47.8%(48.8%)
  • 情報漏えいやセキュリティのトラブル:42.2%(46.4%)
  • コンプライアンス違反:28.9%(36.9%)
  • 自社製品の事故やトラブル:33.3%(26.2%)
  • テロ:14.4%(16.7%)
  • 経営者の不測の事態:17.8%(11.9%)

実施しているBCP対策は1位「従業員の安否確認手段の確立」2位「緊急時の指揮命令系統の確立」

BCP策定済みの企業にBCP対策としてどんなことを実施しているか尋ねたところ、「従業員の安否確認手段の確立」が92.2%で最多、「緊急時の指揮命令系統の確立」が86.7%、「緊急時初動対応の社内周知(社員向けマニュアル作成、研修等)」が61.1%と続いた(n=90)。※かっこ内は昨年調査(n=84)

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  • 従業員の安否確認手段の確立:92.2%(92.9%)
  • 緊急時の指揮命令系統の確立:86.7%(88.1%)
  • 緊急時初動対応の社内周知(社員向けマニュアル作成、研修等):61.1%(59.5%)
  • テレワーク制度の整備:56.7%(51.2%)
  • 事業所の安全性確保:50.0%(64.3%)
  • 自社サーバーのバックアップ:50.0%(54.8%)
  • 災害保険への加入:47.8%(52.4%)
  • 情報の電子化(ペーパーレス化等):37.8%(42.9%)
  • 業務システムのクラウド化:37.8%(35.7%)
  • 業務の復旧訓練:24.4%(35.7%)
  • 事業所・生産・物流拠点の分散:23.3%(31.0%)
  • 予備在庫の確保:20.0%(26.2%)
  • 代替生産先・仕入れ先・業務委託先・販売場所の確保:18.9%(20.2%)
  • 事業中断時の資金計画:14.4%(28.6%)

また、新型コロナウイルス感染症拡大において、役立ったBCP対策はなにか尋ねたところ、「テレワーク制度の整備」はBCPとして対策していた企業の82.4%が役立ったと回答した。

「テレワーク制度の整備」は新型コロナ拡大後に策定・改定が進んだ

新型コロナウイルス感染症拡大に対応するため、2020年2月以降に新たに策定・改定した対策があるか尋ねたところ、「テレワーク制度の整備」は実施している51社中31社(60.8%)が2020年2月以降に新たに策定・改定したことがわかった。

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コロナ禍のBCPは対策済みの約半数が「見直す必要性を感じたが、まだ対応できていない」

新型コロナウイルス感染症拡大において、自社のBCP対策は十分機能したと思うか尋ねたところ、「見直す必要性を感じたが、まだ対応できていない」が48.9%で最多となった(n=90/BCP策定済みの企業)。

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  • 見直す必要性を感じたが、まだ対応できていない:48.9%
  • 見直す必要性を感じ、改定した:20.0%
  • 十分だったがさらに拡充するため見直した:16.7%
  • 十分だったので見直しはしていない:14.4%

総評

今回の調査では、新型コロナウイルス感染症拡大以降、企業のBCP対策に変化があったことがわかった。2020年7月の調査と比較すると、BCPを対策している企業が増加し、中でも「パンデミック」に対する意識が高まっていることが顕著だ。テレワークは2020年2月以降に急速に整備した企業が多く、これは新型コロナによる影響であるといえるだろう。

感染が落ち着いたタイミングで出社を増やそうとしていたものの、オミクロン株による爆発的な感染拡大で、よりテレワークを強化したという声も複数あった。テレワーク継続の意向について、コロナが収束したら基本出社に戻すという企業も2割弱あるものの、テレワーク自体はある程度定着の段階にきたといえるだろう。総務が緊急度かつ重要度が高く前例の少ないパンデミックへの対応が求められるようになって、もうすぐ2年が経とうとしている。刻一刻と状況が変化しているが、最新の情報を収集しながら経営陣とも連携して柔軟な対応を続け、従業員がより安心して働ける環境を整えてほしいと思う。


【調査概要】
調査名称:BCPとテレワークに関する調査
調査対象:『月刊総務』読者、「月刊総務オンライン」メルマガ登録者ほか
調査方法: Webアンケート
調査期間:2022年1月14日〜2022年1月21日
有効回答数:176件

リリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000026.000060066.html

■調査結果の引用時のお願い
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例:「『月刊総務』の調査によると」「『月刊総務』調べ」など

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