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『月刊総務』は、全国の総務担当者を対象に「社員の学び(リスキリング)についての調査」を実施し、103人から回答を得た。
- 調査結果 概要
- 7割以上の企業が、年次が上がるにつれて学びの機会が減っていると回答
- 「リスキリング」の認知度が向上。前回調査から27.7ポイント増加
- 「リスキリング」に取り組む企業が9.2ポイント増加
- 9割以上の企業がリスキリングの「必要性を感じる」
- リスキリングが特に必要な年齢層 1位「40代」2位「50代」 3位「30代」
- 身につけさせたいスキルは「ITツールの活用」「組織・チームマネジメント」など
- リスキリングに取り組む理由は「業務効率化」「イノベーション創出」「デジタルリテラシーの底上げ」など
- リスキリングに取り組んでいない理由は、「取り組むための予算がないから」が最多
- リスキリングの教育メニューは「社員自身が学びたい内容を選択」。リスキリングの進捗管理は「個人に任せている」
- 「リスキリング」の実施においての課題1位「時間の確保」、2位「社員のモチベーション」、3位「教育プログラムの策定」
- 約8割の企業が、「リスキリング」の一人あたりの年間予算は「3万円未満」
7割以上の企業が、年次が上がるにつれて学びの機会が減っていると回答
年次が上がるにつれて、学びの機会が減っていると思うか尋ねたところ、「とても思う」「やや思う」が合わせて74.8%と、7割以上の企業が学びの機会が減っていると思っていることがわかった(n=103)。
「リスキリング」の認知度が向上。前回調査から27.7ポイント増加
「リスキリング」とはなにか知っているか尋ねたところ、「よく理解している」「なんとなく理解している」が合わせて78.6%と、昨年7月の調査の50.9%から27.7ポイント増加。この1年間で「リスキリング」の認知度が高まった結果となった(n=103)。
「リスキリング」に取り組む企業が9.2ポイント増加
「リスキリング」に取り組んでいるか尋ねたところ、「とても取り組んでいる」「やや取り組んでいる」が合わせて35.9%と、昨年7月の調査の26.7%から9.2ポイント増加した(n=103)。
9割以上の企業がリスキリングの「必要性を感じる」
「リスキリング」の必要性を感じているか尋ねたところ、「とても必要」「やや必要」が合わせて96.1%と、昨年7月の調査の86.6%から9.5ポイント増加し、ほとんどの企業がリスキングの必要性を感じていることがわかった(n=103)。
<リスキリングは必要だと思う理由>
- 社会が非常に速いスピードで多様化しており、従業員に求められるスキルも多様化しているため。
- 新規事業展開やセカンドキャリア形成に必要。
- 社員が年齢だけを重ねて新しいスキルが身についておらず、新人を育てられそうな人材がいない。
- AI技術の進化により、職種・業務の変更に柔軟に対応することが必要だと感じたため。
- ジョブ型雇用が増えているため。
<リスキリングは必要ないと思う理由>
- 個人のやる気次第で、その気がない人に教育を施しても時間と労力、コストがかさむ。
- 業務内容による。
- リスキリングの前に、スキリングが必要だから。
- 自分での気づきで勉強しないと、過去の例から見ても効果が出にくい。
リスキリングが特に必要な年齢層 1位「40代」2位「50代」 3位「30代」
どの年齢層のリスキリングが特に必要だと思うか尋ねたところ、「40代」が84.5%、「50代」が67.0%、「30代」が54.4%と続いた(n=103)。
身につけさせたいスキルは「ITツールの活用」「組織・チームマネジメント」など
どんなスキルを身につけさせたいか尋ねたところ、前回の調査では「プロジェクトマネジメント」が73.8%で最多だったのに対し、今回の調査では「ITツールの活用(slackやzoom、営業管理ツール、基幹システムなど)」が59.6%で最多となった(n=99/リスキリングが必要だと思う人)。
リスキリングに取り組む理由は「業務効率化」「イノベーション創出」「デジタルリテラシーの底上げ」など
「リスキリング」に取り組む理由を尋ねたところ、「業務効率化のため」が70.3%、「イノベーションを起こすため」が56.8%、「デジタルリテラシーを底上げするため」が54.1%と続き、トップ3の回答が昨年調査とほぼ同じ結果となった(n=37/リスキリングに取り組んでいる企業)。
リスキリングに取り組んでいない理由は、「取り組むための予算がないから」が最多
「リスキリング」に取り組んでいない理由を尋ねたところ、前回の調査では「何をすればよいかわからないから」が44.3%で最多だったのに対し、今回の調査では「取り組むための予算がないから」が42.4%で最多となった(n=37/リスキリングに取り組んでいる企業)。
リスキリングの教育メニューは「社員自身が学びたい内容を選択」。リスキリングの進捗管理は「個人に任せている」
「リスキリング」の教育メニューはどのように決めているか尋ねたところ、「会社が教育プログラムを用意している」が21.6%、「社員自身が学びたい内容を選択している」が78.4%という結果になった(n=37/リスキリングに取り組んでいる企業)。※かっこ内は昨年調査(n=42/リスキリングに取り組んでいる企業)
- 会社が教育プログラムを用意している:21.6%(31.0%)
- 社員自身が学びたい内容を選択している:78.4%(69.0%)
また、「リスキリング」の進捗管理をしているか尋ねたところ、「個別の習熟度を管理している」が5.4%、「個人に任せている」が94.6%という結果となった(n=37/リスキリングに取り組んでいる企業)。※かっこ内は昨年調査(n=42/リスキリングに取り組んでいる企業)
- 個別の習熟度を管理している:5.4%(13.4%)
- 個人に任せている:94.6%(85.7%)
「リスキリング」の実施においての課題1位「時間の確保」、2位「社員のモチベーション」、3位「教育プログラムの策定」
「リスキリング」の実施において課題に感じていることを尋ねたところ、「時間の確保」が70.3%、「社員のモチベーション」が62.2%、「教育プログラムの策定(何を学ぶか)」が56.8%と続いた(n=37/リスキリングに取り組んでいる企業)。
<「リスキリング」の実施において課題に感じていること>
- リスキリング習得による新たな業務に取り組むチャンスが得られるかが問題。
- 社員のやる気を起こさせることと、学習の進捗度の把握が課題
- 会社側が学ばせたい範囲と個人が学びたい範囲に差がある。その結果、時間・モチベーション・投資費用の考え方にも差が生まれている。
- 今の業務に必須のスキルにおいても学ぶ姿勢が見られない。
- 基本個人に任せているが、相談を受けた時に良きアドバイスができないこと
約8割の企業が、「リスキリング」の一人あたりの年間予算は「3万円未満」
「リスキリング」の一人あたりの年間予算を尋ねたところ、「1万円未満」「1万円以上〜3万円未満」が合わせて81.0%と、昨年7月の調査の64.3%から16.7ポイント増加し、一人あたりの年間予算が下がっていることがわかった(n=37/リスキリングに取り組んでいる企業)。
総評
今回の調査では、多くの企業で年次が上がるにつれて学びの機会が減っていることや、「リスキリング」の認知・取り組み状況の現状が明らかとなった。
「リスキリング」に取り組む理由として半数以上が「デジタルリテラシーの底上げ」と回答しているが、今はどの年次の層にもある程度のデジタルスキルが必要となっている。国も無料や安価で利用できるプログラムを用意しているので、そこから始めてみるのも手段の一つかもしれない。
また、特に「リスキリング」が必要だと思う年代について「40代」「50代」が多くの回答を集めたが、学びが習慣付けられていないミドル・シニア層の「リスキリング」をどう進めるかも企業の課題になると考えられる。一人で学ぶのはモチベーション維持が難しいため、他者とともに学んだり情報交換できる場づくりが総務の役目になるだろう。
【調査概要】
社員の学び(リスキリング)についての調査
調査機関:自社調査
調査対象:『月刊総務』読者、「月刊総務オンライン」メルマガ登録者ほか
調査方法: Webアンケート
調査期間:2023年6月13日〜2023年6月24日
■調査結果の引用時のお願い
※本調査内容を転載・ご利用いただく場合は、出典元の表記をお願いします。
例:「『月刊総務』の調査によると」「『月刊総務』調べ」など
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