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『月刊総務』は、全国の総務担当者を対象にオフィスに関する調査を実施し、212名から回答を得た。
前回調査(2020年8月)はこちら
- 調査結果 概要
- 新型コロナでオフィスの見直しが進む。内容は「レイアウトの変更」が約8割
- オフィスで働くメリットは「簡単な打ち合わせや質問がしやすい」「雑談ができる」などコミュニケーションに関する回答が昨年より増加
- 「テレワークの方が生産性高く働ける」の回答が昨年より増加
- 2割以上がサードプレイスを「契約している」。昨年より10.7ポイント増加
- 今後のオフィスの役割は「社内コミュニケーション」「チームでの作業」
- コロナ前と現在でオフィスの課題に変化。現在の課題は「個別ブースが足りない」が最多
新型コロナでオフィスの見直しが進む。内容は「レイアウトの変更」が約8割
新型コロナウイルスによるオフィスの見直しについて尋ねたところ、「見直しをした」「見直しを検討している」が合わせて75.5%と、7割以上がオフィスの見直しを実施または検討していることがわかった。「見直しをした」は43.4%で昨年8月の調査の26.7%から16.6ポイント増加。この1年間でオフィスの見直しが進んだことがわかった(n=212)。
見直しの内容は、実施済み・検討中ともに「レイアウトの変更」が1位となった。実施済みの施策として、「コワーキングスペースやレンタルオフィスの契約」が昨年は14.8%だったのに対し今回は25.0%と、増加傾向にあることがわかった(実施済みn=92、検討中n=68)。※かっこ内は昨年調査(実施済みn=81、検討中n=121)
<実施済み>
- レイアウトの変更:79.3%(前回調査未実施)
- 専有面積の縮小:35.9%(30.9%)
- コワーキングスペースやレンタルオフィスの契約:25.0%(14.8%)
- 拠点の集約:17.4%(12.3%)
- 規模縮小のための移転:14.1%(4.9%)
- 拠点の分散化:8.7%(14.8%)
- 本社機能の廃止:0%(1.2%)
- 地方への移転:0%(0%)
- その他:12.0%(43.2%)
<検討中>
- レイアウトの変更:82.4%(前回調査未実施)
- 専有面積の縮小:42.6%(56.2%)
- コワーキングスペースやレンタルオフィスの契約:20.6%(3.6%)
- 拠点の集約:14.7%(14.9%)
- 規模縮小のための移転:13.2%(14.0%)
- 拠点の分散化:7.4%(21.5%)
- 本社機能の廃止:0%(2.5%)
- 地方への移転:0%(1.7%)
- その他:2.9%(23.1%)
<オフィスの見直しをした・見直しを検討している理由 / 一部抜粋>
- 出勤者減に伴うフリーアドレス化で執務エリアに余剰が生じたため
- グループ会社全体でオフィス集約することにした
- 社員の自律性を高め、交流を促すためのABW化
- 出社率低下に伴う面積減による賃料削減と、固定席を減らしたレイアウトへの変更検討のため
<オフィスの見直しをしない理由 / 一部抜粋>
- コロナ禍でも出社する機会が大半だった為、今後も大きな改革をする予定はない
- 経営層の考え方が、コロナを過ぎればそれでよし、の為
オフィスで働くメリットは「簡単な打ち合わせや質問がしやすい」「雑談ができる」
オフィスで働くことのメリットについて尋ねたところ、「簡単な打ち合わせや質問がしやすい」が81.1%で最多、「雑談ができる」が67.5%と続いた。昨年の調査結果と比べるとコミュニケーションに関する回答が増加していることがわかった(n=212、昨年n=303)。
テレワークのメリット「通勤時間がかからない」「自分のペースで仕事ができる」「集中しやすい」
テレワークで働くことのメリットについて尋ねたところ、「通勤時間がかからない」が92.5%で最多、「自分のペースで仕事ができる」が65.1%、「集中しやすい」が58.0%と続き、トップ3の回答が昨年調査とほぼ同じ結果となった(n=212、昨年n=303)。
「テレワークの方が生産性高く働ける」の回答が増加
オフィスとテレワークのどちらが生産性高く働けると思うか尋ねたところ、オフィスと回答した人が54.2%、テレワークと回答した人が45.8%という結果になった(n=212、昨年n=303)。
<オフィスの方が生産性高く働けると思う理由 / 一部抜粋>
- 偶発的なコミュニケーションが起こりやすい 環境を作ることが大切と思う
- 周りに人がいることで仕事をする姿勢が保てる
- スピード感をもって簡単な打ち合わせを関係者と行うことができる。在宅だと事前に予定していないこと、期限付きでない仕事など「次会えた時でいいか」と先延ばしにしてしまう
<テレワークの方が生産性高く働けると思う理由 / 一部抜粋>
- アウトプット重視の評価
- 通勤時間ロスは思っていた以上に多いと感じている
<その他 / 一部抜粋>
- オフィス、テレワークどちらかに偏るのではなく、多様な働き方の組合せ(ハイブリット勤務)が一番生産性高いと思う
- 本音はどちらともいえない
2割以上がサードプレイスを「契約している」。昨年より10.7ポイント増加
今後社員の働く場所としてオフィス・自宅の他にサードプレイス(コワーキングスペース、レンタルオフィス、サテライトオフィスなど)の契約を考えているか尋ねたところ、「契約している」が23.6%と、去年調査よりも10.7ポイント増加した(n=212、昨年n=303)。
バーチャルオフィスの導入はほとんど進まず、「知らない」も2割
バーチャルオフィスを導入しているか尋ねたところ、「導入している」は4.2%にとどまった(n=212)。
これからの働き方は「オフィスとテレワークの融合」との回答が6割超
これからの働き方がどうなるともうか尋ねたところ、「オフィスとテレワークの融合」が65.6%という結果となった(n=212)。※かっこ内は昨年調査(n=303)
- オフィスとテレワークの融合:65.6%(71.3%)
- オフィスメインで働く:27.4%(25.4%)
- テレワークメインで働く:7.1%(3.3%)
今後のオフィスの役割は「社内コミュニケーション」「チームでの作業」
これからのオフィスの役割はなんだと思うか尋ねたところ、「社内コミュニケーションの場」が86.3%、「チームで作業をする場」が69.8%と多くの回答を集めた(n=212)。※かっこ内は昨年調査(n=303)
- 社内コミュニケーションの場:86.3%(80.5%)
- チームで作業をする場:69.8%(76.2%)
- 社風・文化を醸成する場:48.1%(55.8%)
- 教育・OJTの場:44.3%(44.2%)
- 社外コミュニケーションの場:29.7%(25.1%)
- 経営理念・ビジョンを浸透させる場:27.8%(35.6%)
- 自社ブランドを体現する場:17.9%(30.0%)
- 一人で作業をする場:4.7%(5.0%)
- その他:2.4%(3.6%)
アフターコロナのオフィス出社率の想定
これからのオフィスに重視する機能
コロナ前と現在でオフィスの課題に変化。現在の課題は「個別ブースが足りない」が最多
コロナ前と現在のオフィスの課題についてそれぞれ尋ねたところ、コロナ前の課題は「会議室や来客スペースが足りない」が65.6%で最多だったのに対し、現在の課題はオンライン商談や1on1等を行うための「個別ブースが足りない」が63.7%で最多となった(n=212)。
<働き方の変化やオフィスの課題の変化に応じて具体的に実施したこと>
- web会議が増えたので、個別ブースを増設予定
- 全フロアのフリーアドレス化
- 来客よりweb会議が増えたため、使用できる会議室や応接室がダブルブッキングしないように、施設使用を電子管理するようにした
- 余ったスペースに撮影スタジオを構築した
- 会議室大を間仕切りをいれ会議室の数を増やした
- 各ミーティングルームにモニターを設置し、WEB会議を行いやすくした
- 防音素材の壁材の設置
総評
今回の調査では、新型コロナウイルス感染症拡大及びそれに伴う働き方の変化により、この1年でオフィスの見直しが進んだことがわかった。
オフィスで働くことのメリットについて、昨年調査では「仕事環境が整っている」が最多だったのに対し、今年は「簡単な打ち合わせや質問がしやすい」「雑談ができる」といったコミュニケーションに関する回答が増加。自宅などのテレワークの環境も整い、リモートでの業務にも慣れてきたことから、これからのオフィスに求めるべき役割が明確になってきたことと考えられる。サードプレイスの利用も増加傾向にあるようだ。
テレワークを実施している企業からは「出社率をコロナ前に戻すことはない」「コロナが落ち着いてもテレワークは継続する方針が決まった」という声も複数ありました。テレワークとオフィスのよいところをバランスよく組み合わせて生産性を高めたいという意向も多く、新型コロナというきっかけで働き方やオフィスの在り方を抜本的に見直しを図っている総務部門がとても多いことがわかった。
【調査概要】
調査名称:オフィスに関する調査
調査対象:『月刊総務』読者、「月刊総務オンライン」メルマガ登録者ほか
調査方法: Webアンケート
調査期間:2021年11月12日〜2021年11月19日
有効回答数:212件
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例:「『月刊総務』の調査によると」「『月刊総務』調べ」など
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